『ブラック・ジャック 危険な賭け』感想・3

月組公演感想,月組

・ゆいかれんちゃんが演じる女医・ベリンダがすごくよかった。
ビジュアルもさることながら、演技でうならされた。

ベリンダは、最初はブラック・ジャックが評するまでもなく「傲慢」なんだろう。
人命よりも大病院の権威やシステムを優先している。
けれどブラック・ジャックと出会ってサブで手術を行い、一つ皮がむけたような、本質に触れたような清々しさが出るさまをわざとらしくなく、プライド高く演じた。
ベリンダとて、もとより医師としての誇りを持ちながら仕事をしていたのだから、BJとの出会いで卑屈になることなく美しく成長した様がいいと思う。

・りりちゃん(看護師が続きますね)ヨランダもナイスアシスト。
「サインください!」と場の流れ無視して言っちゃうあたり正塚作品あるあるだろうけれど、ちゃんと笑い取ってた。

・ケインの人が変わったことに対し、ブラック・ジャックがアイリスに言うセリフにはちょっと待ってくれと言いたくなった。
英国情報部を辞めずにいる恋人に養われている気持ちがわかるか、自分が相手のところに降りていくべきではなかったのか、という感じのセリフね。

ブラック・ジャックの言うこともわからなくはないんだけど、でも、仕事大事よーーーー!
仕事っていうか収入。
英国情報部を辞めてもすんなり相応の収入を得られる仕事を見つけられるならいいけど、女の人ということもあって男性以上に難しいんじゃないか?と就職氷河期を生きてきた人間は思うのであった。

にしても、ブラック・ジャック先生って現代の感覚だとけっこうな説教おじさんだなぁ。
こういう説教があの頃はありがたかったのであろう。

・スノードン卿にりんきら。
りんきらもザ・正塚芝居な感じのあるお人だなぁ。独特なセリフ回しがすごくしっくりくる。

ブラック・ジャックに請求書を回しておくと言われるところはベタだけど気の毒でおかしい。

・ヴィクトリア女王の泉里ちゃん、とてもきれいでした。
顔かたち、声もさることながら、佇まいがきれいなのよね。
女王らしい気品、風格も備えてました。

・気になった娘役さん。
靴磨きをしていた華羽さん、「たこ焼きーー!」の子ですね。
とても生き生きと演技をしていて、今後が楽しみになります。

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