雪組東京宝塚劇場公演『蒼穹の昴』の新人公演をライブ配信で見ました。
まずは無事上演されてよかった……!
一度ムラではちゃんとやれてるのですが、ムラでの反省を生かしての東京新公というのもとても大きな成長の糧となるはずです。
もっとも、私はただのヅカファンなので、単純に評判のよかった今作新公を見たかったという気持ちのほうが大きいです。
上演は12月8日(木)18:30から。
新公の演出は谷貴矢センセイ。
新人公演の短縮演出について
一本物の作品を新公で上演する場合、時間短縮が行われます。おおよそ20分くらい削られる感じかな。
手法はいろいろありますが、主に場面のカットや短縮。
それによってストーリーが見えにくくなるときには、新公独自の演出で説明のセリフが振られることもあります。
今回でいえば
・結婚式の場面が一部カット
・玲玲と譚嗣同の出会いを短縮
・日清戦争をカット
・楊喜楨暗殺シーンをカット
・阿片窟もカット
・詔書乱発シーンカット
ほかにもあったかなー。
このカット部分を、ミセス・チャンとトーマス・バートン、岡圭之介という新聞記者たちが説明して場面をつなぐのですが、とても上手い手法でした。
演じた3人も立派だけど(ほんと上手かった!)まずは演出の手腕として素晴らしい。
本公演よりストーリーがわかりやすいくらいだったもの。
シーンのつなぎや時代背景を説明するためのセリフも足されていてよかった。
同時代の人たちが西太后をどう思っていたかとかね。
それと、ミセス・チャンが中盤で「おばあちゃん」と独り言を言うのもいい。
舞台終わりごろに西太后と会って「おばあちゃん」と呼びかけるの、唐突すぎて面食らったからさ。伏線があればこちらも置いてかれません。
本公演ではせっかく夢白ちゃんが演じる役なんだから、ミセス・チャンは本公演でも新公くらいの比重があってもよかったと思うくらいですよ。
ただ、大人数を動かす場面が減ったことによって大劇場ならではの豪華絢爛で迫力ある場面は少なくなってましたね。
それは已むをえない……というか、そもそも新公で人数減だからな。
梁文秀・かせきょー
雪組の若手、こんなに上手かったんか……!と思わずにいられない新人公演でした。
雪組の若手が素晴らしいのか、宝塚全体でのレベルアップが上手くいってるのか、近年は単に上手い人に役をつける(ビジュアル偏重からの方向転換)ようにしただけかわからないけど。
主演のかせきょーは106期(研3)、初主演とは思えない舞台でした。
新公初主演ってウソやろ?と言いたくなる安定ぶり。
開幕アナウンスから涼やかな声で、正当な主人公らしさを感じさせてくれます。
その後も危なげなく、芝居に歌にきちんとした実力を発揮。
声もいい。
メイクはまだ発展途上な気がするけど、それなりに長身で見栄えもする。
ムラ新公での評判通りの、実力ある正統派スターの誕生でした。
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