『ベアタ・ベアトリクス』感想・3

星組公演感想,星組

星組バウホール公演『ベアタ・ベアトリクス』、配信で千秋楽(9月19日(月・祝)14:30公演)を見ました。
家に居ながらにしてチケットがなかなか取れない公演を観られるとはいい時代になったものだ。
もちろん現地で観るのとは埋められない差があるのは承知です。

このとき、星組の「表」の公演である全国ツアーは公演中止の憂き目にあっていました。(星バウ楽と同じ9/19から再開)
新型コロナウイルス禍の影響でしょう。

バウは幸いにして公演中止になることなくぶじに全公演上演できました。
千秋楽のご挨拶で主演の極美くんが「前日、トップの礼さんから電話をもらって『星組パッション』をやってもよいという許可を得ました」と。
こういうのを聞くと、小公演で別れていても星組はひとつだし(ほかの組もでしょうが)、宝塚はひとつなんだなと感じます。

で、極美くんによる「星組パッション」なのですが……。
説明がグダったり最後忘れたりっていうのが極美くんクオリティなんでしょうか。
ミスってあまとに抱きついてたのがたぶんファン的にはハイライトですね。
公演の1・2って尊いな。
2人の持ち味や特性が真逆すぎてまったくかぶらなくて、可愛い。

・この日で退団の麻丘さん、ロセッティの妹・クリスティーナ役だったお嬢さんですね。
最後にご挨拶もあってよかった。

・クリスティーナ(=さやかりんちゃんのほうね)の歌が上手い。
初見だとたぶんあのおじいちゃん会長の人だとは思うまい。
「プロセルピナ」の場面、歌手は歌手として書いといてくれ……と熊倉センセイにお願いしたい。

おじいちゃんの会長(=マーティン・アーサー・シー)は、師匠のみちこ味があったわ。
クリスティーナはみっちゃんについていたはずだから納得っちゃ納得です。

・リジーがモデルとして表現する絵を幕間に調べたんですが、「なるほど……!」ってなりました。
オフィーリアの雰囲気、すごく出てたわ。

・かなり長かったオープニングの追いかけっこの中で労働者たちの怒りも表現されていたけど、それが本編でまったく関係なかったのが肩透かしだった。
下級生たちの見せ場としてはありだけど、追いかけっこが長すぎたこともあって場面としては冗長。
このへんの取捨選択ができるかどうかが演出家としてのセンスかなぁ。

・大希くん、徐々に役がついてきましたね。
105期文化祭で目を引き、評判になった人だというのもあってやはり気になるんですよ。

冒頭シーンがかれと水乃ちゃんというのもけっこうびっくり。しかも壮年の男性として演じている。
冒頭シーンがダメだと観客がうまく芝居に入れないから。
まだ経験値の低い若手ながら、そこは押さえられていたと思います。

1幕終盤でのかれは、時間を冒頭からは時間をさかのぼって20代と思しき姿できらきらしく登場。
若さがあってきれいでした。

・あまとエヴァレット、ちょろい子疑惑。
前ラファエル兄弟団といい、エフィーの件といい…。

絵は天才的にうまくて努力家でもあるんだけど、あまり人付き合いをしてなかったからかな。
情にほだされやすすぎて可愛い。

年をとってロセッティと再会する場面は熱演でした。泣いてましたねぇ。
芝居に入り込むタイプなんだろうな。

あまとくんは102期次席入団だけあって(首席はひっとん)歌もダンスも芝居もできるハイパーなお人なのだが、身体能力高くて殴られるのが上手すぎるところも最高である。

見た目のかっこよさも上がったなぁ…!
美青年と言われても違和感ない。

元々実力がある上にポテンシャル高くてぐんぐん成長していく若手は観てて楽しい。

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