『ベアタ・ベアトリクス』感想・2

2022-09-26星組公演感想,星組

星組バウホール公演『ベアタ・ベアトリクス』9月13日(火)15時公演、見たところカメラが1台だけ入ってました。
なにかあったときの保険・予備なのか、記録用で劇団内で見るためのものなのか謎。
でもちょっと安心しましたね。
このところ映像配信日が公演中止になっちゃって、Blu-rayもスカステ配信用もなにも残ってないんじゃないかってことがあったので。
(とはいえ、1台で撮り切ったものは配信その他には回せないだろうなぁ)

・あまとの身体能力高くて殴られるのが上手すぎる。
歌、芝居、ダンスどれもいいし、見た目のかっこよさも上がったなぁ…!美青年と言われても違和感ない。

もうこのまますくすく育っていっておくれ……(と知り合いでもなんでもないのにおばちゃんモードになる)。

ツンツンしてた優等生・エヴァレットが前ラファエル兄弟団に加わるときの可愛さったらない。
ベタだけどね、仲間ができて楽しそうにしてるのはいいもんです。

リジー(ほのか)をモデルにオフィーリアを描いているときの回りが一切目に入っていない雰囲気もよかった。
このときの仕事がリジーの身体の不調と、ロセッティとリジーの不仲を決定づけてしまうわけで、「エヴァレット、すごい!」では済まないわけだけれど……。

批評家・ジョン・ラスキンの妻との不倫のロマンスもあり、それが原因で画壇を去り、けれど家庭という幸せをつかみ。
年を取ってロセッティと再会したときの穏やかさに年月の流れを感じました。

ロセッティはあまり変わらないんだけど、ほかの人たちはちゃんと年月の変化を声色などで表現していてさすがでした。
(極美ロセッティがあまり変わらないのは、そういう演出なのかな?)

・ひーろーの快活さにほっとする。
ダンスしているときのひーろーの明るさに救われるんだよね、なんだか。
公演の長もお疲れ様です。

ひーろーが演じたのは批評家のラスキン。
ロセッティたちにとっては恩義のある人物です。
大きさと優しさのある人物造形でした。

その一方で妻・エフィーに対しては「エフィーを12才(だったっけ)で見初めて、成人したら結婚しようと約束して、エフィーが19歳のときに結婚した」けれど、妻を愛してはいない(少なくともエフィーはそう感じている)という役柄で……。

12才の少女に結婚を申し込むとか、今の感覚でいけばヤベぇな!!なんですが、当時はそんなもんだったのでしょう。
でもついロリコン……?とか思ってしまったのだけれど。

・極美ロセッティの父・ガブリエーレはカブちゃん。
美形親子ですね。……なんとなく、血がつながってるのわかるわ。

ロセッティを精神的に縛り付ける存在で、その怖さや重苦しさが伝わる威圧感のある演技でした。

・第2のヒロインともいうべき芝居小屋の女優・ジェイン・バーデンがゆりちゃん。
さすがきれい~~~~~!!
毒のある美しさで、美形クズ男なロセッティとお似合いすぎる。
バッディーズのダルマをお直しした衣装がお似合いで、スタイルの良さが映える。
もちろん盛り盛りのドレスも似合います。

下町の出で身を売ったりして暮らしていた彼女が上流階級に入ったとき、品なくふるまうさまが痛々しく映る。一種の自傷行為ですよね、あれは。
大希モリスの妻になったあとにロセッティと関係を続けたのも、あの世界では居所がなかったんだろうなぁ。
彼女の内面を、夫も、夫の世界の人たちも見てくれなくて、ロセッティだけが描くことで見つめてくれたがゆえの関係性。

・「人物が描けないから家具のデザインなんかやってるんだろう」とモリスに言うロセッティ、えげつなっっ!
でもモリスが家具のほうに行ってくれてよかったと思うよ。そうでないとまた嫉妬しかねないじゃん、アナタ。

ロセッティとジェインとモリスの関係がものすごくいびつ。
腐脳でいけば、モリスは妻・ジェインを差し出しながらロセッティと関係を持っている……ということになりますね。

モリスはちゃんと妻のことを愛しているように見えたんだけど、不器用なのか、階級差や育ちの差を埋められなかったのか、野に咲く花を温室に植え替えるのに無理があったのか。

・1幕に出てきた学校のお偉いさんのおじいちゃん(なんだっけ、会長?)、やたら上手いなと思ったらクリスティーナであった。納得した。
ほんと芝居上手くてびっくりするよね。得難い人です。

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