れいこ版『THE LAST PARTY』感想・1

月組

月組シアタードラマシティ公演『THE LAST PARTY ~S.Fitzgerald’s last day~』フィッツジェラルド最後の一日 を観てきました。
観たのは6月30日(土)15時公演(DC初日)の1回のみです。

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ゆうひ版のラスパはDVDで見たことがあるんですが、なんせ見たのは相当昔、おおまかな流れは覚えてますが細かい部分は記憶の彼方です。
なので、「あー、こんなんだった!」というところと同じくらい「こんなんだったっけ? 新演出?」と思うところがありました。
セットも昔のものより素敵になってる気がする。気がするだけ。
曲も「こんなんだったっけ?」というところがけっこうありましたがよくわからない……。
わからないながらも素敵な公演でした。

ストーリー的には夫婦関係はあっという間にうまくいかなくなるし、奥さんは狂っちゃうし、夫だって転落人生だし……で胃がキリキリする系。
重め。人生の悲哀系です。
でも再演されるに足る良い作品でした。
ゼルダが狂気の世界に住んでからの、2人の悲しい愛が美しかったからでしょうか。
スコットが文学を希求する姿にも胸を締めつけられました。

主役・スコット・フィッツジェラルドのれいこちゃん。
出てきたときの美しさ、そして芝居の確かさ。
3人目のスコットとして舞台に息づいていました。

れいこちゃん自身がスコットという役との親和性がある気がします。
れいこちゃんの持ち味(というかイメージ)は真面目でかたい。質実剛健。そんな彼女が宝塚歌劇団というとてつもなく華やかな世界にいる。
片やスコットは狂乱の時代にあって大衆向け小説を出しつつ本格派の芸術作品を書こうと苦悩する。

れいこちゃんは華やかな世界で真ん中を張れるスターさんですが、そこには染まり切らない芯のようなものを感じるんです。
それゆえにスコットという役がしっくりきたのではないかと思った次第です。

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月組

Posted by hanazononiyukigamau