『A-EN』(ARI VERSION)感想・2

月組

『A-EN』あーさバージョンを観たときは「若手スターの公演」だと思った。
ありバージョンのときは、「昔のバウ公演」、もしくは正直に言って「文化祭の延長」と感じた。

そのくらいのテンションの差が出たのに自分でもびっくりした。
あーさバージョンは楽近く、ありバージョンは初日の翌日に観劇しているからその差はあるにしても。
加えて、元々あーさはけっこう好きで、ありにそんなに興味がないことも影響しているとは思う。
(ありの芝居については、音校文化祭のときからどうも私に合わないらしいなぁ……というのは感じる)

たいしたヅカ歴もないのに「昔のバウ公演」と表現するのもどうかと思われるかもしれないが、この「昔」というのは私にとっての昔なのでせいぜい10年くらい前のこと。
100周年の前、若手バウが今のようにチケット難にはならず、発売初日でなくても土日のチケットが買えて、チケット譲渡サイトには何枚も値引きされて掲載され、演目によっては2列目センターが束でサバキに出てたような時代。
バウはプレミアなものでもなければ、チケットはプラチナ扱いされるようなものでもなかった。
今以上にツテもなにもなかったけれど、なんかしらんがなんとかなったんだ。

「まーいっちょ見てやるかー」的な感じ。
公演だけど、あくまで若手のもの。完成などされていない。
良い部分は良い部分として、足りないものは足りないものとして、それなりに楽しむ。
けっして絶賛されるようなものではない。

だいたい、研片手程度の人が中心になってやっていてすごいものが出来るんじゃ、上級生ジェンヌは商売あがったりだわ。

――というようなことを、満員御礼の客席の中で思った。

まさにワーク・ショップ。
いいお値段ついてるけど。

下級生研鑚の場としてよかったと思う。

あーさ版とあり版の一番の差は、脇の「濃さ」と「見せ方」かな。

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月組

Posted by hanazononiyukigamau