『かもめ』感想・4

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・ソーリン伯父さんはコースチャと心を交わしあっていると思うし、ドールン医師はコースチャをある程度理解できてると思う。
でも、この2人がいてもコースチャは救われなかったんだよな。
悲しい。

・コースチャを愛するマーシャ役のはるこ。
黒衣に包まれた姿が美しい。

マーシャはその地味なたたずまいを余所に、ふるまいはそうとうやさぐれている。
というか、やさぐれているからこそ若くして「人生の喪服」に身を包むなどということをしているのか。

嗅ぎ煙草に酒、怠惰な生活に投げやりな結婚。
軽んじているメドヴェージェンコとの結婚はうまくいかず(メドヴェージェンコさん、いい人なのになぁ……はてしなく残念な感じもあるけど)、子どもにも愛情をかけない。

この物語に出てくる人がそれぞれかなり問題のある人であるように、彼女もまたとんでもない人である。
が、宝塚の娘役の気品とともにそれを見せた。

こんなに静かにやさぐれている人ってあまり舞台ではお目にかからないなぁ。
でもそれがすごくしっくりきた。
やはりはるこは演技者として、宝塚の娘役として、素晴らしい人だと思う。

・シャムラーエフを演じるさやかさんは、ロミジュリの乳母を演じた経験によるものか、歌声がすごく伸びる。
誰も聞いてない歌の、朗々としていることといったら。
(あ、歌を聞いてないのは他の登場人物がです。念のため)

シャムラーエフは物語の中で群を抜いて傍若無人。
なんせ雇い主にすら自分の横暴をとおす。
華やかに我が儘で空気をよまないアルカージナさえ彼を制御できない。

武骨な外見と人を人とも思わぬ態度。
こんな人、身近にいたらぜったいにイヤだな……。

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