語るってほど詳しくもないし
劇場にもそうそう足を運べないし
だいいちヅカ歴が短いんですが・・・
ま、興味ない方はスルーしてくださいな・・・
シビさんの凄さって何だろう。
考えれば考えるほどわからなくなる。
当然、あの独特の声であり、そこから発せられる歌が
凄さを感じる、その最たるところではあるんだけれども。
でも、それだけで口を閉じるには足りなさすぎる。
何かあるだろう。
歌がなくても、セリフがなくても
舞台上に立っているだけで劇場を埋めてしまう空気が。
トップスターのように劇場に光を撒いているわけではない。
多くの女役が出す、やわらかな匂いや、甘さや、美しいため息を放っているのでもない。
どちらかといえば、脇のベテラン男役が出す舞台に現実を息づかせる重さのような
湿った、この世のどこともつかぬ世界を体現する空気。
それを無意識に身に纏っていたような気がする。
もちろん、それを最も強く感じるのは
シビさんが声を発し、歌を乗せたときなのだけれど
仮に彼女に声がなくても、彼女はそれを感づかせることができる。
『ドルチェ・ヴィータ』の花市場~サテリコンの場面。
シビさんのふられた役は、たしかジプシーの女だったか。
ウメ演じる少女が、ケロ・しい達演じる街の男達に弄ばれる。
シビさんは街の男達の元締めか何かで、少女を値踏みする。
この場面でシビさんは一切声を発しなかった。
舞台を何度か横切り、少女を値踏みしただけだ。
無言の演技が、とてつもなく怖かった。
舞台を完全に支配していた。
ねっとりとした甘く重くよどんだ空気を作り上げたのはシビさんだ。
『タランテラ』でのジプシーの女も
『バビロン』のジプシーの女も
どれも他を圧していた。
けれど邪魔にはならない。
なぜってそれは、その場を作り上げていたのがシビさんだから。
シビさんの作った世界の中であらゆる出演者達が泳ぎ回る。
特にショーではその威力がいかんなく発揮される。
シビさんの声は重力を持った声だ。
みぞおちに何かがたたきこまれるような心地がする。
重くて、それが熱さなのか痛みなのかもわからないような
じわりと効いてくる歌だ。
毒もある。
だが、それに癒される気もするから不思議なものだ。
『BOXMAN』の気ままで勝手な母親
『マジシャンの憂鬱』の一筋縄ではいかなさそうな新聞記者と墓守の女房
『マラケシュ』の愛情の有無を量りがたいイヴェットの母・ソニア
劇ではショーほどの毒気は発揮されない。
私が見たことがあるのはコメディー要素のあるものが多い。
でも、どれもほんとうに世の女性の裏も表もある、
書き割りでない人物を演じていた。
過去が見えるような気がした。
今後、退団してシビさんがどうするかなんでわからないけど
オギーはきっと舞台に呼ぶと思う。
だから、なんとなくこれで見納めにはならないと思う。
いや、そう信じたい。
えっと、最後に。
Barともしび、またやりませんかね。
スカステはOGも番組もってることだし。
ね?
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