『枕詞はサッちゃん』を読んだんだ
なつめさんのお姉様・内藤啓子さんの『枕詞はサッちゃん』を読みましたよ。
「照れやな詩人、父・阪田寛夫の人生」と副題がついているので、内容は主にお父様のこと。とはいえ、阪田寛夫氏も名の知れた宝塚ファンであられたので、もちろん宝塚歌劇の話も豊富です。
戦争が始まって、中学生は観劇を禁止されていたにもかかわらず、こっそり夏休みや冬休みに劇場に行った。中学五年で見た『新かぐや姫』の中の『さよなら皆様』の歌は、戦争が厳しくなり、美しい夢や甘い恋などへの惜別の時が迫っていることを感じさせられたそうだ。
終演後に流れる「さよなら皆様」。これが『新かぐや姫』という演目の曲ということはなんとなく知っていました。
けれど、戦時中という当時のことを思い合わせると――今、戦争が行われていないことのありがたさが身に沁みます。
阪田寛夫氏のお嬢さんは言わずと知れた元花組トップスターのなつめさん。
なつめさんに送った新人公演の感想の手紙も興味深かったです。
生れて来た時からお前はフェルゼンだ。スエーデンのサギノミーヤで生れて馬車でパリへ来た。
(中略)
アタマで(芝居を)すると、いつでも頭の中にすぐ次にやることと、そのまだあとにやることとか、字引の字みたいにつまらなくて間違いのないことだけが取り得で、見ていて面白くもおかしくもないよ。
◎一バン下手はやつは頭で芝居する。
次にダメなやつはノドと口先で芝居する。
うまいやつは胸。
えらいやつは腹。
名人は腰。
天才は足で芝居する。
足のうらにようくセリフを覚えさせておけ。
「スエーデンのサギノミーヤ」には笑っちゃいますが、芝居の極意は「ほほう」と思ってしまう。
各組ジェンヌさん、どこで芝居をされていることでしょうか。
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