れこ海のあとの月組トップコンビが発表されました。
ちなつ、そしてあまし。
よかった。ほんとうによかった。
ほっとしました。
人事は順当なのがいいですよ。安心してお祝いできるもの。
と言って、10年前にちなつがトップになると思った人がどれだけいたか。(→参考。アンケート「問18 10年後の男役トップ5人を予想して下さい。」)
新公主演はベルばらのアンドレ1回のみ、それも「主演」にカウントしてよいかどうか迷うようなもの。
まごうことなき主役はオスカルで、新公主演は同期のゆうきだった。
アンドレはトップスターが演じる役ではあるものの役替わりで、あくまでオスカルの相手役だった。
2期下のたまちゃんがトップになり、3期下のれいこちゃんが組替えしてきてトップになり。
その間にちなつは花組にも異動し、また月組に戻ってきて。
ちなつは、下級生トップを支える番手付上級生、の図がしっくりきた。
本人のキャラクタというか性格というか、あまりトップを目指してギラギラしている雰囲気でもなく。
どこか飄々としつつも自分の役目をきっちり理解したうえで必要とあらば真ん中らしく、また脇としての存在感に徹することもあり。
スターでありつつ、職人としての色も見せるのがちなつだった。
だから、もしトップにならなくても「惜しい」とは思うものの、「まぁ劇団ってそんなものだから」とあきらめざるを得ないようなポジションで、本人もそれを充分すぎるほどにわかっていそうな感じなのだった。
だから、「トップになってほしい」と思っても、「トップになるべき」と言いづらいところもあった。
劇団の見せる扱いの微妙さと(決して軽んじられているとは思わないけど、なにせ新公主演が……)、本人をおいてファンが勝手に熱を上げても、という意味で。
もしコロナ禍がなかったら。
宙組が、そして宝塚全体が揺らいでいなかったら。
ちなつのトップはなかったかもしれない。というか、はるかに可能性は低かったはず。
なにせエグい人事で知られる月組ですし……。
他組や専科からもらってきたり、下級生を無理に上げたりしかねない。
しかし昨年秋から宝塚は揺れに揺れて、まだ収まらない。
月組は比較的影響が少ない組だけれど、それでも冒険するのは避けた方がいい。
対組子であっても、対ファンであっても。
まだしばらく宝塚はイレギュラーなことが起きかねない。
組内も落ち着かないかもしれない。
それでも、ちなつなら。
組に長くいて、組子の信頼も厚くて経験豊富な人が真ん中なら、組子も信じてついていこうと思えるのではないか。
そしてこんなときに真ん中に立つのは大変なことだと思うけれど、ちなつならきっと大丈夫と思わせてくれる。
昨年の〈華・宝塚〉(東京新聞 TOKYOWEB)より。
(2)大切にしている言葉や、座右の銘は?
東京新聞 TOKYOWEB
-「誰かのためなら頑張れる」。しんどい、きついと思うのは自分だけに気持ちが向いているとき。共演者やお客さまのためにと思うとパワーが出ます。
きっと、ファンのために、組のために。
いい舞台を作ってくれる人だと思います。
改めて、月組トップ就任決定おめでとうございます。
ちなつがいてよかった、と真ん中の舞台を見て思うことでしょう。
月組 次期トップスター、トップ娘役について
2024.02.29この度、月組 次期トップスターに鳳月杏、次期トップ娘役に天紫珠李が決定しましたのでお知らせいたします。
なお、鳳月杏、天紫珠李の新トップコンビとしてのお披露目公演は、2024年8月22日(木)に初日を迎える全国ツアー公演『琥珀色の雨にぬれて』『Grande TAKARAZUKA 110!』となります。
宝塚歌劇公式サイト
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