最近行った映画
今年に入ってから見た映画の話。
家だと寝ちゃう&気が散っちゃうので映画館で見たい派です。
行くのは地元の老舗映画館のメトロ劇場が多め。けっこう好みのをかけてくれるし。
鰯売恋曳網
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シネマ歌舞伎の「鰯売恋曳網」、これが今年の映画初めだったはず。
春からふわふわした御伽噺です。
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エレベータの中から歌舞伎世界に引き込んでくれます。
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映画館はビルの4階にあるんですが、小さなロビーにこれからかかる映画の案内や、見たい映画アンケートのポスター・チラシ類が飾られてます。
感想ノートもあるので、時間つぶしにはもってこいです。
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歌舞伎に詳しくないもので「歌舞伎」=「かっこいい」「色っぽい」ものを勝手に想像してしまうんですが、主人公の猿源氏はむしろ情けなく頼りない風情。
恋した遊女・蛍火よりも小柄だし。
身分もイワシ売りだし。
なのでこんなんアリかぁ!と思いつつも楽しい作品でした。
身分をごまかすためのタイやヒラメの軍記とかね。物尽くしは楽しい、1回じゃ把握できないけど。
しかし元お姫様の遊女・蛍火さん、強い。
遊女に身を落としてもふつうにお姫様感は残ってるし、回りも城に戻れというし。
三島由紀夫作になる作品ではありますが、昔の日本って性的に潔癖じゃないよなぁ……などとも思いました。
ユンヒへ
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『ユンヒへ』。韓国映画です。で、L系の映画でもありますね。
高校時代に韓国で同級生だった2人の女性、ユンヒとジュン。
今は日韓に別れて暮らしているけれど、中年になってかつて抱いていた想いが……といった話。
2人が再会した小樽の地の雪深い静けさや、日本海の重さが湿度として感じられます。
再会したからってなにかが大きく転換するわけではないんですよ。
愛のために家族を擲ったりはしない。
でも2人にとっては心の底にずっと残る出来事のはず。
あ、ジュンに想いを寄せるリョウコ役の女優さんがやたらエロい美人でどういうことだよと思いました。
WEST SIDE STORY
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はい、見ました。
スピルバーグだからか、最初のカメラワークからすごかったですね。ちょっと酔いました……。
今までのバージョンとの大きな違いはドクがバレンティーナという名前の女性になったこと。
彼女は夫を亡くしていて、かつてのロミオとジュリエットのように派閥を超えて愛しあった人なんですよね。
だからこそジェッツとシャークスの対立を憂い、誰よりもトニーとマリアの愛の成就を願える人。そして誰よりもその難しさを知っている。
アニータが強姦されるシーンもありませんでした。
あわや……というところはあったんだけど、そのものの行為はなくてよかった。見ることでトラウマが引き起こされる人もいるでしょうし、なくてもじゅうぶんにわかる。
このシーンがないのは、ドクが女性になったことともつながってるのかもしれない。
あとはチノのダサさが衝撃的でした。
兄・ベルナルドがマリアの相手にと考えた男だけど、頭も良さそうなんだけど、マリアが拒否るのわかるわ……という。
宝塚版だとどうしたってかっこいいからさ、いいじゃんチノで!ってなっちゃうんだけど。
TOVE/トーベ
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『ムーミン』シリーズの作者・トーベ=ヤンソンの伝記的映画です。
芸術家としての父との確執や、同性の恋人・ヴィヴィカとのあれこれなど。
トーベは芸術家なので内面が激しくて、見ているだけでヒリヒリします。生きづらいだろうなぁ、とか思ってしまって。
男女とも性的なシーンがあるので、苦手な方はご注意。
当時の北欧って性的に奔放なんだか抑圧的なんだか……。
世界で一番美しい少年
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日本でも一世を風靡した(らしい)『ベニスに死す』のビョルン・アンドレセンのドキュメンタリー映画。
近年の『ミッドサマー』での映像や日常風景もあります。
『ベニスに死す』のときのビョルン・アンドレセンの凄みのある美しさがすごかったですね。
24年組あたりの方々が熱狂してた印象ですが、これはそうなるわ……。
「世界で一番美しい少年」という評にも頷かずにいられません。
父は不明で母は謎の死を遂げ息子も失い…彼の欠落に思いを馳せます。
一躍有名になった彼は日本で歌も出してたのね、日本語の歌謡曲を。
『ベルサイユのばら』のオスカルのモデルでもあったのだそうです。(映画に池田理代子先生もご出演でした)
ただ、『ベニスに死す』で有名になったビョルン・アンドレセンはアイドルで性的アイコンでトロフィーで、性的搾取も受けていたよう。
ルキノ・ヴィスコンティのやりようが本当にクソでした。
ビョルンの娘が彼の祖母に対して
「文句を言ってやりたい。(『ベニスに死す』オーディションのビョルンが)痛々しくて見ていられない。セーターを脱がされて裸にされて」
と言ってるのに胸が痛く、熱くなりました。
ビョルンは当時15才。守られるべき子どもだったのに。
今の子どもたちが、いろんなことから守られていることを願います。
名付けようのない踊り
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ダンサー田中泯の<場踊り>。その場に応じた、即興的な踊りとでもいいましょうか。
場の空気を動かし、作るダンスです。
ダンサーとしては生計を立てず、農業をしながら<場踊り>をする。
ダンスはダンスとして存在するのではなく、生活と地続きということでしょうか。
イースター・パレード
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ジュディ・ガーランドとフレッド・アステアによるミュージカル映画です。
往年の名作をときどきかけてくれるのもメトロ劇場のいいところ。
華やかで明るくてとても楽しい映画でした。
歌もダンスもドレスも最高。
フレッド・アステアのダンスの都会的で華麗なダンスは素晴らしかったです。
脚さばきの軽やかなことといったら。
ヒロインのジュディ・ガーランドも良かったのですが、準ヒロインのアン・ミラーに私は心奪われました。
黄色のドレス捌きがとてもきれいでした。
幸福感に包まれる映画で、同じ映画を見た知らないおばさまとも終演後の楽しさを分かち合いました。
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