『神々の土地』感想・3

宙組

ユスポフさんの話。続き。

・ユスポフさん、登場シーンのイリナとの銀橋で「銃も使えないあなたが」とか言われてるんですよ。
軍人じゃないもんね。放蕩貴族です。
ゆえに軍服シーンはなくお高そうなスーツばかり。(よくお似合いで)

そんな彼が活動家のアジト襲撃に加わってるんですよね。加わってるというか行動を共にしてる。
銃も使えないし、戦力にならない人だろうに。

それでも足手まといになる「お姫様」という感じがしないのは、真風の体格と、彼の勇敢さによるもの。

招かれざる客であっても宮殿などへ出かけて行ったり、酒場で倒れるアレクセイの危機に気づいたり、イリナに近寄るラスプーチンを制止しようとしたり(ラスプーチンの超能力によって横転してるけれど)。
身体を張ってる感じがいいんです。

・ペルシャ戦線に向かう途中でイリナの邸に寄ったドミトリーを出迎えに来て亡命させようとするユスポフさん。
この場面、ユスポフが探しにくるってわかってるのがなにげにアレですね。
行動パターン知られすぎ、自分たちが愛されてるのわかってるよねぇ。ついでにユスポフが私財を投じて体も張ってなんでもしてくれるだろうことも。

・ニューヨーク。

初見時はこの場面で「どひゃー!!」となりましたよ。
ちゃんと言われるまで気づいてなかったから。
くそう、腐り始めてほぼ30年なのを自認してるのにまだまだだな! センサー弱っっ。

まぁ考えてみりゃ、ユスポフさんはドミトリーのそばにいすぎです。
そりゃお母さん以外にもバレてるわ。

ユスポフさんはイリナも助けようとしてたんですね。
この話、各自がそれぞれの生きざまに誇りを持っていて、各々の信念によって生きている(死へ向かうことも含めて)のがいいところ。
ゆえにイリナは――ではあるのですが。

ユスポフさんはドミトリーだけじゃなくてイリナも好きで、しかも2人が結ばれずに他の人と結婚する流れになると「それでいいの?」になっちゃうところが珍しいキャラだなと。
ややこしいというかなんというか。

・ちなみにプログラムの真風インタビューによれば、「ドミトリーに対しては、自分の目的を遂げる過程で手に入れたいと考えているぐらいの感じで、と演出の上田先生からご指導頂きました。」だそうで。
そうだったんかー!?

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宙組

Posted by hanazononiyukigamau