緒月本を読んだんだ

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ようやく、緒月本(正式名称は『OZUKI 緒月遠麻~My style~』)を読みましたよ。
どこかで通称“きのこ本”とか呼ばれてるんでしょうか。
キノコほとんど出てこなかったけど。

ゆるい本でした。
不思議な温度してるなぁ。乙女でもなく男子でもなく、独特の自然体。

●まず、表紙にもなっている野っぱらでの写真。
それが中身のポートレートにも続いていくんだけど、どれもこれも表情や立ち姿がぬぼーっとしてるの。
吹き出しで「ほげー」とか書き加えたい感じのぼんやり加減。

すごい不思議なジェンヌの写真。
かっこよくしようという気持ちはなさそうだ……。
男役ではなく、そんじょのただの男子でもなく、なんというか「変なあんちゃん」というのがわりとぴったりくる表現かと思う(失礼…?)。

で、そんな変なあんちゃんが、着崩していた服を整え、帽子をかぶりステッキを手にし……いかにも「男役」な身なりになる。
(それでも雰囲気はどことなくぼんやりなんだけど)
これがまた変な感じで……。

「男役」としてONな状態の写真はモノクロなんだよね。
懐中時計がキーなのかな。
モノクロの画像は「変なあんちゃん」の過去・前世だったり?

――「この人、変」と思って見ていたはずなのに、気づけばいろいろと想像をかきたてられる写真だな。

●コメントやインタビューなどを読んでいて感じたのは「距離感」。

緒月は、自分の話でも他人のことのように突き放してみている気がするし、他人のこともほどほどの距離感で面白がってる気がする。
それでいて冷めているわけではない。

仙人みたいな感じか?

あと、自分のことより他人のことを気にしてる感じ。(自分が新公で大役をもらってるのに、なぜか下級生の指導に一生懸命だったり)
でもそれはあくまで本人の趣味の領域であって、他人のことばかり気にしているわけでも自分のことをおろそかにしているわけでもないんだよね。

●やたらにちまちましたものを集めるのが好きだな。

●漫画家さんに描いてもらったイラストのコメントが笑える。
「私の舞台写真から、よくこんな風に綺麗に描けるものだなと(笑)。」

あと、子供のころはよく2人で「将来はガム工場で働こうね!」(いい匂いがして楽しそうだから)と話していたそうで……。
納得する。
今は食品サンプル工場にハマってるんだったっけな?(どこかで読んだ気が)

●「緒月遠麻を語る」のコーナーは演出家・歌唱指導の先生などスタッフさんらによるキタさんの話。
緒月が描いたスタッフさんらのイラストがとてもイイ味です。
さすがちびまるこちゃんを愛する人だけあるわ。

●「tekuteku KITAsan」は緒月が気になる人を訪ねて一緒にポラを撮り、たがいに直筆でコメントを寄せあうコーナー。
登場してるジェンヌさんは、風馬・寿春・伶美・朝夏・香音・大湖・白渚・蓮水・香綾・春妃・七海(敬称略)。
雪組率高し。

みんな字がきれいだなー。(私は横書きがものすごくヘタなので羨ましい)
かけるは独特な感じに完成されてる。

●テルにメイクしてもらった写真はあんまり好みじゃない。
4人組のビジュアル系バンドがいたとして、全員がその手のメイクが似合うわけでもなくて、どうしてもなんか微妙な人がいて……ってときの微妙な人っぽい感じがする。
(すまん)

●終わりのほうに、とってもセルゲイな写真があってびびらされました。
セルゲイってアレですよ、ニジンスキーの「相手役」ディアギレフさん。
「うほ」とか声が出そうになります。

しかし彼はレースの手袋をした女性の手を取っているわけで……。
いつの間に宗旨替えしたんだセルゲイ。
ちぎーちゅに振られたあとはまなはるにすがってたくせに!(役名で書け)

でもこの「女性の手」、実は男役さんのものなんだよね。
星組の98期生・天希くん。
それを考えるとまた、やっぱりセルゲイったら……という気持ちになる。

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