2008年6月28日14時30分公演。
早霧・和音版の初日です。
原作が谷崎の『春琴抄』なので暗い話かと覚悟してたんですが、ちゃんと笑えて泣ける舞台でした。
けっこう笑い多め。
その筆頭はすっしーの利太郎。
出てくるだけでおかしい。真っ白なメイクだけでまず笑える。
それに加えて飄々とした口調や軽い足取りでさらに笑いを誘う。
ダンサーらしい足捌きが見てて気持ちいいんだ。
出るたびウケまくってました。
おかげで終演後のあいさつも、すっしーが話し出そうとしただけで笑いがおこる始末。
いるだけでおかしいってすごいなぁ。
そういう状況ってマヤさん以外では見たの初めてな気がする。
あとものすごく気になったのが幇間の千吉役の麻音颯斗氏。
この人をはじめて認識した。
すんごく面白かった。芝居の間が上手いと思う。
一緒に出てくる芸者のお蘭役のせいこちゃんはいい女でした。
ちょっと色っぽくてきれいできつそうで。
利太郎のあしらい方もきれいでおかしい。歌も上手いしなぁ。
でも酔っ払ってる場面の関西弁がちょっとやりすぎな感じはした。
大変なんだろうなぁ、関西弁。
佐助のちぎはまずきれいだった。
若くてきれいなのに渋い。それがちょっと不思議な感じ。
ちぎの演技とかをきちんと見たのは初めてだけど、歌も踊りも演技もよかったと思う。
春琴を想う気持ちがちゃんと伝わってきた。
手引きの仕方とかに愛が感じられて、さもありなんと思わされた。
春琴のたっちんもよかった。
どれだけきつい役(役の性格的に)だろうと思っていたけど、声や話し方のかわいらしさとかでクリアしてた。
ぶっちゃけかわいかった。
歌は言うまでもない。
お母さんの彩苑ゆきさんとの丁々発止のやりとりがすごくいい。
迫力があって。
彩苑さんがまたかっこいいんだ。
お父さんの風莉じん氏同様、娘の頑固さに手を焼きながらも愛情がある両親を手堅く演じてました。
安定感のある脇役ばんざい。
脇役を渋く務めていくかと思いきや今公演での退団が決まってしまった暁郷氏は鵙屋の番頭。
立ってるだけでかっこいい。大人の男感がばりばりです。
佐助の三味線をとめるくだりも本心から佐助の将来を思ってのこととわかる懐の深さがあった。
まだ学年は若いんだよねぇ。なんかもったいない。
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