2月に見たせおっち東上公演『ザ・ジェントル・ライアー』の感想の続き。
作品について
タイトルが『ザ・ジェントル・ライアー~英国的、紳士と淑女のゲーム~』とあって、主人公とヒロインたちが貴族らしい丁々発止の嘘とも本当ともつかぬセリフ劇を繰り広げ……というのを勝手に想像していました。
(原作とかも読んでなかったし)
で、1幕はサスペンス系の雰囲気でした。
でも2幕になったらようやくコメディっぽくなってまいりました……!
そういや「ミュージカル・コメディ」だったわ、これ。
貴族同士の心の底がわからない騙しあいではなく、なんか主人公・子爵アーサー・ゴーリング卿たちのドタバタで話が進んでいくのが少々タイトル詐欺でしたね(笑)。
ヒロイン②ガートルード・チルターン
2人目のヒロインというべきは、ほのか演じるガートルード・チルターン。
せおっちアーサーの元想い人であり、今はあかさんロバートの貞淑な妻という役柄です。
ほのかは、所作の美しさがまさにヒロイン。
声もきれいで理想的な淑女に見える。
ザ・娘役芸ですよね。
ほのかの美声と歌唱力、気品は素晴らしいなぁ……と惚れ惚れします。
ドレスの着こなしもきれいで、本当にいい娘役さん。
2幕での勘違いからくるコメディ要素も出すぎずやりすぎずでいいあんばいでした。
夫のあかさんともいい夫婦ぶりでしたね。
ヒロイン③メイベル・チルターン
役柄上、メインのヒロイン格だと思います。
演じたのは月組から組替えしたばかりの詩ちゃんです。
セリフ回しに無理がなくていいわー。
コミカルな表情のつけ方に元月娘1のさくさくを感じました。
ビジュアルのためか一見ものすごく若いお嬢さんに見えたけれど、お芝居は落ち着いていてそれなりの年齢(せおっちの役柄に釣り合うような)に思えました。
小柄だけどどことなく包容力もあって、それがギャップかもしんない。
主演のせおっちとの並びは悪くない感じでした。
主演・せおっちについて
真ん中がしっくりくるきれいさがせおっちの魅力ですね。
歌唱力が高いとかめちゃくちゃ演技が上手いとか、圧倒的な存在感があるとかではないのだけれど、誰が横に来てもOKそうな、せおっち本人の人柄の良さを元にした安心感があります。
クセのない、白い人とでも言いましょうか。
主人公のアーサーはそれなりに困った坊ちゃんではあるのだけれど、それもせおっちの人間的魅力で可愛げに昇華できてしまう。
いい年して年齢にサバよんでふらふらしてるのも、見ている側はツッコミ入れながら許してしまう。
メイベルに愛されてるのに気づかない抜けっぷりも愛おしく思えるんですよね。
それはそうと、せおっち、轟さんと表情のつけ方が似てきたような。
『ドクトル・ジバゴ』や『シラノ・ド・ベルジュラック』などでご一緒した経験からかなぁ。
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