外部弁護士の調査報告書と会見

宝塚一般

11月14日、劇団の公式サイトに「外部弁護士からなる調査チームの調査報告・提言を受けた宝塚歌劇団の今後の対応について」というお知らせが掲載され、調査報告書の概要版も掲示されました。
また、同日16時から劇団幹部3名による記者会見が行われ、その後(途中から?)遺族の弁護士による会見も行われています。

いちおう全部見ました、読みました。
なにせ長いので見落としている部分はあるでしょうが……。

まず、新公の長の期の長の仕事量の膨大さに驚きました。
演技者として舞台に立ちつつ、ほぼ演出助手の仕事もしている。
これは俳優の仕事ではないよね?というところが多すぎる。
そりゃ、勉強にはなるでしょうが、この「勉強になる」「のちのち役に立つ」系の理由をつけては無理難題を押し付けるのがパワハラの常套手段ですから。
新公長の長の仕事が、必ずしも生徒らの「役に立つから」発生しているわけではないでしょうが、ハラスメントを生みやすい現場だと思います。

演出助手も足りなくて、仕事量が膨大なのでしょうね。
過去の演出家の手記などを読んでいるとほんとうにそう思います。
家でずっと音楽の編集をしてたとか、ドアストッパーを枕にして寝てたとかさ……。

だからこそ、新公の長の長にも多くの仕事が回ってくるのでしょうが、裏方の仕事は裏方で済ませてほしい。
やむなく劇団生に割り振るなら、うまく割り振れないかな……。それはそれで難しいんだろうけど、長の期の負担は減らせないかな。

また、調査報告書からは被害者の死をあくまで忙しさによるストレス、プレッシャーなどに原因を求め、「いじめ」や「傷害事件」「生徒によるハラスメント」によるものとはみなさないようにしているようでした。

もちろん調査報告書=劇団の見解とする必要はないのですが、記者会見を見るとそんな感じ……。

よく言えば、被害者の死を劇団の体制の不備によるものとして、現役生徒(あるいは既退団者も含めて)を守っているということなのでしょう。

ただ、私は「組内でハラスメントはあったのではないか」「被害者の死は、ハラスメントによる部分も大きいのではないか」との疑いを持っています。
そういう側からすると、被害者の死を劇団の体制の不備によるものとする=組内の上級生をかばう、ということが本当に現役生全体を守ることになるかどうかを問いたい。
どんな無理難題を押し付けられても、どんなハラスメントを受けても、きちんとした対応をされないというのであれば、まともな生徒にとっては失望しかないのではないか。
そして、劇団は本気でハラスメント対策をする気がないということなのではないか。
そのように思います。

あくまで阪急の一部門で、あまり権力もなさそうな歌劇団の理事長などの立場でできることも限られているのではないか……という気はします(もちろん、内部的なことは存じませんので勝手な推測です)。

それでも、なんか、さぁ……と思わずにいられない会見でした。

外部弁護士からなる調査チームの調査報告・提言を受けた宝塚歌劇団の今後の対応について
2023.11.14

このたびの宝塚歌劇団宙組生の急逝を受け、謹んで哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様には、大切なご家族を守ることができなかったことを心よりお詫び申し上げます。
また、多くの宝塚歌劇ファンの皆様ならびにご関係の方々に多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。
当団では、このたびの事実関係および原因を調査するため、外部弁護士からなる調査チームに対し調査を依頼し、11月10日にその調査報告書を受領いたしました。
当団としましては、調査報告書の内容を真摯に受け止めており、対処すべき課題(提言)としてご指摘いただいた内容を含め、今後、改善に取り組んでまいります。
今回の報告書を受けて、当団の受け止めと今後の改善策についてお知らせします。

2023年11月14日

宝塚歌劇団

宝塚歌劇公式サイト
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Posted by ゆきたろ