『THE MERRY WIDOW』感想・2
●ハンナ・グラヴァリを演じるみゆはヒロインっぽさがすごい。
なんだろうなぁ、あの「女」の華やかさは。
貫禄すら感じるのに、それを図太さややりすぎではなく「華」の位置でとどめている。
体格的に大柄なわけでも特別な美人でもないのにヒロインであることを納得させられる人だ。
歌は、1曲目は少し不安になったんだけれどそれ以外はとてもよかった。
よくわからないけれど、1曲目は求められる音域が高すぎるのかな?
「ハイドウドウ♪」の歌は楽しかった。
自信はないけど、これは「メリー・ウィドウ」の中の歌とは別の曲かな……?
みっちゃんとみゆの丁々発止のやり取りは見ごたえがあった。
どちらも負けてない。
2人のやり取りを見ていると、本当にこの物語がどう転がっていくかが気になって仕方なくなるんだ。
ハンナが靴を脱いで寝ているダニロのところに行くときは、「もしやその匂いを嗅がせて起こす気なのでは……臭いのか、足」などと失礼なことを想像しました。
違った。
脚で本人を思い出させるという、まぁちょっとスミレコードぶっちぎってるかもしんない方向に進んだけれど。
(ピュアな関係だったら脚で本人はわからないだろう)
●2番手娘役格のヴァランシエンヌを演じたあずは、2人から熱愛される美貌の女性というには少々華やぎが足りないけれど、歌と芝居がよくて、それなりに納得させられる雰囲気にはなっていました。
ツェータ男爵は彼女のか弱げな雰囲気に惹かれたのかな。
オペレッタだから歌ありきで選ばれたのかな。
夫に対するときと元恋人のカミーユに対するときで話し方が違っているのが器用だな。
●ヴァランシエンヌを愛するカミーユ役のカチャは歌がんばったなー。
親御さんの名においてヘタなものは出せなかったろうし……努力を感じました。
●ヴァランシエンヌの夫・ツェータ男爵役のマギーさんはとってもマギーさんで、今回も面白かったです。
大騒ぎする役どころで、マギーさんのパワフルさがこれでもかと爆発。
ときどきガニマールさんやお屋敷の弁護士がちらつきましたが…。
あの押し出しのある声は素晴らしい。
迫力があって「いま、すごいものを見てる!」という気持ちにさせてくれる。
●ハンナの求婚者役に、サン・ブリオッシュ役のゆりやんと、カスカーダ子爵役のゆうき。
ゆりやんはなんだかとってもゆりやん。
白くて甘くてボンボンでアホの子で、ナチュラルにヒモ。
しかしそれが「だって貴族だもん」で済みそうなのがゆりやんのゆりやんたるゆえんです。
ああ、白い男役ってすごい。
役が役でもかわいいから許せる。
対し、ゆうきは外見から浅黒く精悍に作ってました。
同じ「求婚者」でもこうやって違った風に作られていると、物語に広がりがみえる。
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