11月10日に行われた、宝塚歌劇団の女性団員の遺族側の記者会見動画の内容の続きです。
以下、遺族代理人弁護士・川人博氏と各社記者の記者クラブで行われた質疑応答です。
聞き取れてない部分もあります。
聞き取りづらい部分を想像で補っている箇所もあります。
あくまで私のメモであり、全文書き起こしではない旨、ご承知おきください。
亡くなった団員=被災者、です。
- 労働時間について記録が残っているのか、根拠は
- 劇団側からの提出について
- 雇用契約について、有期契約か
- 一緒に稽古している下級生は労基法違反になるか
- 契約の相手方について
- 今後の労災保険の申請について
- 会見のタイミングについて
- 求める内容の劇団への申し入れについて
- 申し入れへの劇団の回答は
- 被災者の扱いについて、死亡退団になるか
- 劇団員はフリーランスの業務委託契約だったか
- 劇団の調査報告書を受け、民事訴訟を起こすかについて
- ?の時期について
- 拘束時間について
- 終了時間について
- 家族の文章について、両親と妹のコメントか
- 事実の確認について
- パワハラについてご遺族は聞いていたか
- 5Pの下のカギカッコの内容について、見ていた人の証言なのか、ヒアリングなのか、LINEなのか
- ヘアアイロンの上級生と暴言の上級生は別人か
- カギカッコのある暴言は1人か
- 9月30日死亡の警察の報道が避けられなかった?
- パワハラと長時間労働の2点が自死につながったということか
- 心療内科などにかかっていたか
- 今年の夏に退団する予定だったということだが、なぜ辞めようと思っていたのか
- ご遺族は同居されていたか
- 3ページの書面の作成について
- 演出家の劇団との契約について
労働時間について記録が残っているのか、根拠は
9時ごろからの下級生の稽古、13時からの全体稽古、夜10時から12時までの下級生の稽古。
個々には違いがある。
入退館記録はないので、体温を測る時間で記録が残っていたり、母親へのLINE連絡の記録から帰宅時間の特定などを使う。
基本は普段のスケジュールを元にし、物証が残っているものはそれを加味している。
劇団側からの提出について
劇団は、一般の会社のような労働時間の把握は7年目の被災者たちにはしていない。
雇用契約について、有期契約か
最初の5年は、1年有期で雇用契約の更新。
契約書上ははっきりしない。
6年目以降は国民健康保険に切り替え、確定申告してなどの説明になっている。
委託契約になっている。
実質的に、契約上の文章はほぼ一緒。
一緒に稽古している下級生は労基法違反になるか
休憩時間を形式的に長くするなど便法上いろいろ行われているが、本件についてどのように潜り抜けているのかは不明。
契約の相手方について
契約は劇団と俳優の契約だが、宝塚歌劇団は法人格なし、法的主体とはいえないが、契約上は劇団が契約者と表示され、歌劇団の理事長が記名押印している。
法律家からすると法形式上は不思議。
本来は宝塚歌劇は阪急電鉄の一営業部門だから、阪急電鉄の代表者と個々の劇団員の契約になるのが本来の姿。
今後の労災保険の申請について
ご遺族と代理人の間では労災申請については議論していない。
決めてあることは、劇団・阪急のほうで事実関係を認めて謝罪し、しかるべき適切な補償をしてほしいことに尽きる。
その旨交渉の申し入れをしている。
会見のタイミングについて
9月30日に亡くなり、10月7日に劇団が記者会見したが遺族側から見て、亡くなった原因について、劇団側の責任を認める言動がなかった。
そういう状況で弁護士に相談があり、弁護士側で詳細な調査をし、調査に一定期間がかかり、調査が一区切りついた段階で会見をしたいと考えていた。
一区切りがついたのが先週でめどが立ち、先週記者クラブに金曜日を押さえた。
できるだけ早く遺族としての認識している事実関係、それに対する評価、劇団の責任、それらに対する遺族の意見を示したいというお気持ちを持っていたが、相当の事実の整理などが必要で本日に至った。
求める内容の劇団への申し入れについて
口頭では相当前から。
書面では昨日の段階では劇団側に着いているのを確認している。
それまでに面談もしていて、考え方は、相当前からしている。
申し入れへの劇団の回答は
担当から電話であった。
劇団側は、10月半ばには調査委員会を設置し、調査結果の報告書が出たのちに、それらを踏まえて劇団内で話し合い、遺族側と話し合いをしたいと代理人に伝えられている内容。
日にちは伝えられていない。
被災者の扱いについて、死亡退団になるか
劇団の退団・入団、休演などの従来からの扱い・ルールがある。
今回のような退団(現役劇団員の自死による死亡)は、劇団側での説明によればこれまで例がない。
どのような手続きをすればいいか、劇団としては今後、ご家族と話し合いをしたいと言っている。
劇団側とよく話し合うテーマになる。
どのような扱いにするかご家族と相談しながら進めたいと劇団側に言われている。
劇団員はフリーランスの業務委託契約だったか
契約書にはフリーランスという言葉は出てこない。
「委託」という表現になっている。
事業主、フリーランスと劇団は法律的にとらえて契約書を作っている。
劇団員は法律的な問題に詳しくないので、劇団の示された内容にサインをした。
劇団員が一人ひとりが自らフリーランスとして自覚をもって稽古をしているとは思えない。
契約書上は委託契約でも、劇団員の意識としては「生徒」と呼ばれていることもあり、フリーランス・事業主という意識をもっているかというと必ずしもそうではない。
法律的には委託契約というより、労働契約として評価するのが妥当ではないか。
横須賀の労基で、Amazonの配送員について労働者として一般の労災保険の適用を認めたという件があった。
今後の議論の論点になる。
劇団の調査報告書を受け、民事訴訟を起こすかについて
事実関係は劇団に責任があるのは明確である。
さまざまなメール、LINEなどが残っている。
劇団と交渉し、劇団の現場任せでなく、企業の役員のトップが事実関係がわかれば、責任もって謝罪し、必要な解決を行うと確信している。
今はご遺族と訴訟については話していない。
話し合いをし、事実を認め、謝罪をしてもらうのに尽きる方針。
?の時期について
9月下旬。
拘束時間について
本稽古は午後1時から午後10時まで行われる、劇団の指揮に基づいて行われるのは明確。
実際上の問題、下級生の稽古は午前中に行われる。
文書に書いてあるわけではないが、劇団の慣行。
10時以降の本稽古の注意事項を受けての自主稽古・下級生の稽古は門限までおこなうのも慣行として行われてきた。
劇団の責任者がスケジュール表を作って指示しているわけではないが、これが通常であると考える。
終了時間について
7階建ての5階に稽古場があり、2階に大劇場がある。
24時近くになると守衛が見回るので、24時以降の稽古はできないが、ほとんどのケースで24時までは稽古しているのが慣行になっている。
完全に1日1日を証明するのは現時点ではできていないが、家族その他の証言から推定している。
家族の文章について、両親と妹のコメントか
弁護士はご遺族全体の代理人なので。
文章自身は主にお母さまが執筆したが、ご遺族3人で話し合って、ご遺族全体の気持ちを出したもの。
事実の確認について
2021年8月14日のヘアアイロンの問題については本人のLINEが残されている。
家族あてのLINEで事実関係が残され、口頭でも家族は詳しく聞いている。
負傷したことについては診療室で塗り薬をもらったことを確認している。
今年になってヘアアイロン事件について週刊文春で報道され、その結果、1月から2月にかけてこの問題について誰と被災者がどのような話をしたかについて、ご遺族も会社に話をしている。
会社に聞かれ質問されたときに事実関係を答えているという経過があり、それ以降も経過は一部LINE等に残っている。
パワハラについてご遺族は聞いていたか
ご本人からそういう話を聞いているし、その問題に関係しての情報は家族に情報収集している。
家族の記憶や事実関係について間違いない事実について会見している。
5Pの下のカギカッコの内容について、見ていた人の証言なのか、ヒアリングなのか、LINEなのか
総合して、間違いないところを書いている。
ヘアアイロンの上級生と暴言の上級生は別人か
別人。
カギカッコのある暴言は1人か
複数だと思う。
9月30日死亡の警察の報道が避けられなかった?
そう理解している。
パワハラと長時間労働の2点が自死につながったということか
パワハラと長時間労働のどちらのウェイトが大きいかを議論しても意味がないかもしれないが、本件の流れと本人の心身の衰弱の過程を見るに、8月16日以降の睡眠時間が取れないような長時間かつ過重な労働が(自殺の)大きな原因だと考えている。
だからといってパワハラが影響がないとは思えない。
両方の関係がある。
心療内科などにかかっていたか
自死の頃に医療機関にかかっていたということはない。
今年の夏に退団する予定だったということだが、なぜ辞めようと思っていたのか
今年1月から2月にかけてヘアアイロン事件の報道をされ、それ以降詰問され、事実を伝えても劇団側から理事長が「事実無根である」と記者会見で言うなどしたことに追い詰められたのも重要な原因の一つ。
それだけが理由かはわからないが、ひとつの原因になっている。
ご遺族は同居されていたか
同居していた。
どこまでを同居するというか難しいが、3人が同居する、ないし同居する機会があった。
全員の家族が寝起きしていることもあった。
3ページの書面の作成について
たとえば新人公演のシナリオは新公の演出家が書くが、通常、下級生の代表者が手伝う。
新公用のシナリオ作成をいっしょにやる。
配置については、新公でどの役を誰がやるか、新公の配役は演出家が基本になるが、長の期の長がいっしょになっておこなう。
メモ作りを行う。
演出家の劇団との契約について
劇団所属だと理解しているが形式的にどういう契約かわからない。
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