『柳生忍法帖』感想・1

星組公演感想,星組

星組大劇場公演『柳生忍法帖』を観てきました。
10月17日(日)11時公演と15:30公演のダブルです。

・正直さほど期待してなかったのですが(大失礼)、けっこう楽しめました。
主演がスーパー舞台人こっちゃんで、ヒロインがこれまたハイパー娘役なひっとん、人外なら任せろ&最後の華を見せてやるぜな愛ちゃんが2番手なんだから、そりゃ舞台のクオリティは高いよ。

あと大野くんなのでセリフなどもきちんとしてるし、カンにさわるようなギャグも入れてこないのもありがたい。
(そういうところでうんざりさせられる舞台もときどきあるから)
ベテラン演出家なので、見せ方もちゃんとうまいしね。

組子の出番が多くて役も多いのも嬉しいところ。
下級生は「兵」とかになりがちだけど、まぁ仕方ないか。

・公演プログラムは、大野作品恒例のぎっちり登場人物紹介があって嬉しい。
メイン以外の役でもこんなに書いてあるのは大野くんくらいだよ……。

・公演未見の状態でル・サンクを見たら七本槍たちが斃される場面が多かったので、あぶな絵の写真集を買った気持ちになった。
なんかの性癖の扉が開きそうな……。

・原作は未読のまま観劇しましたが、がんばってまとめたなぁ……!感がある舞台ではありました。

なにせ敵がざっくりいって7人(七本槍)+愛ちゃん。
七本槍をみんな斃さねばならない都合上か、物語進行のテンポを速くせざるを得ません。

さらに愛ちゃん銅伯の過去とか秘密とか入れてくから、そりゃ全体のスピードすごいよ。
『オーシャンズ11』第1幕の仲間集めみたいなもんだ。
しかも1本物とちがって約100分しか時間は使えないし。

ストーリー展開は早いけど、でもわかりやすい演出をされてて混乱はほとんどありませんでした。
要はかたき討ちで勧善懲悪ものと思っておけばよいだけだから。

なこゆらが柳生十兵衛に惚れたところはもうちょっとわかりやすく演出してもいいかもだけど。
(ひっとんはちゃんと心の変化を演技しているけど、こっちゃんたちを見てる人も多いだろうからね)

あと、みっきぃさん演じる沢庵和尚が愛ちゃん銅伯が実は……ということを知ったときにすべてを諦めた風情になるのはわかりにくかったです。
これは演出云々というより、現代人の感覚ではあの当時の徳川家の権力の強大さや、徳川絶対の風潮がピンとこないからですね、たぶん。

・ちょっと不安になったのは、路線男役・上級生男役を中心とした七本槍がざくざく斃されていく作品だということ。
これ、ヅカファン的にはだいじょうぶなのかしら……。とくに七本槍に配された男役さんのファン。
人によってはさっさと退場だし……。

ただ、七本槍はビジュアルはロックでかっこいい。めちゃくちゃかっこいい。
みんな顔に傷があるのが「こいつらが悪玉です」とわかりやすくなってるのもポイントだよね。

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