
花組東京宝塚劇場公演『エンジェリックライ』『Jubilee(ジュビリー)』に続き、「凪七瑠海サヨナラショー」が行われました。
専科のスターの退団ということで、2番手男役に準ずる扱いです。
セットリスト
サヨナラショーの楽曲や出演者はおそらく大劇場と同じかと思いますが、再掲しておきます。
パッション・ダムール(パッション・ダムールー愛の夢ー)雪組バウ/星組全ツ…凪七
瞳の中の宝石(バレンシアの熱い花)宙組/星組全ツ…凪七
TAKARAZUKA花詩集100!!(TAKARAZUKA花詩集100!!)月組…凪七・紫門・100期
銀色の翼(カサブランカ)宙組…凪七・美風
世界を我らに(1789)月組…凪七・101期以下?
自由と抑制Ⅱ(激情)花組全ツ…凪七・永久輝
誰が大切か(蘭陵王)花組DC…凪七
どうやって伝えよう(ロミオとジュリエット)(星組)…綺城
愛の歌(パッション・ダムール・アゲイン!)雪組バウ/星組全ツ…凪七・星空
GOLDEN DAYS(パッション・ダムールー愛の夢ー GRAND MIRAGE!)花組…凪七・花組全員
ムラで「どうだっけ?」となった曲については、機関誌(グラフとか)を参考にしてます。
サヨナラショーについて
サヨナラショーの流れは大劇場と同じ。
とてもいい構成ですよね。
入団してから若手時代の宙組の作品、異動先の月組公演、専科生になり各組で主演や助演をしていたときなど、幅広い演目から採られています。
カチャの歴史ですね。
同時退団者のまいら(100期)、あかさん(97期)にも見せ場があります。
「TAKARAZUKA花詩集100!!」はやっぱり泣けるわ。
あのとき初舞台だった子(まいら)が立派になって、当時の月組生(ゆりちゃん)が花組副組長になったもとで見守られながら卒業していく。
まいらの笑顔も歌声も癒される。
宙組・月組を経たカチャならではの『カサブランカ』『1789』を入れたのも素敵。
宙組時代をいっしょに過ごしたあおいさんが、花組組長をしてるのもご縁ですね。
星組時代のあるあかさんが、『ロミオとジュリエット』の楽曲を歌うのも素敵だった。
あのときより上手くなってるのもすごい。
『蘭陵王』のときは、音くりちゃんが懐かしくなりました。在団してたらいっしょに出てたのかしら。
『激情』では、「自分の道を歩いていくんだ」とひとこの背を押すところが感動的。
カチャとひとこは特別濃い縁というわけではありませんでしたが、それでも「宝塚」というつながりがり、旅立つカチャからエールを贈られるというのは美しいです。
ゆゆちゃんご挨拶
103期生娘役の二葉ゆゆちゃんの組替えご挨拶がありました。
バウホール公演『儚き星の照らす海の果てに』千秋楽のあと、4月4日付で宙組に行くんだものね。
「新たな挑戦をさせていただく機会を得まして」「一流の花娘を目指して」と爽やかに、明るいご挨拶でした。
階段降りとご挨拶
退団者が黒紋付きに緑の袴で大階段を降り、最後のご挨拶をします。
トップバッターは100期のまいら。ご挨拶では
「わたくしの大好きな花組が、永久(とわ)に輝き続けますように」
と、ひとこの名前入れてきました。上手い。
大分出身で、入団するまでほとんど東京にきたことがなくて……という話に、のんびりほのぼのした人柄が見えるようでした。
97期のあかさんへのお花は、同期からはまいこつ、組からはひとこなのかな。
現役花組97期生が揃う形で、なぜかこちらまで嬉しくなってしまう。
97期生は音校受験のシステム変更のあおりか入団者がとても少なく、また早期退団者も多かった期。
少ないメンバーの中で、力を合わせてここまで頑張ってきたのでしょう。
カチャへのお花は白薔薇。
お花渡しには専科からはまゆぽん、同期からは卒業した元雪組トップスターのだいもんが訪れました。
だいもんはけっこう長く話して笑わせてました。カチャは現役ラストの89期生。入団時の成績トップ(首席)と次席ですね。
だいもんが離れたあと、カチャの顔が涙をこらえているように見えました。
カチャご挨拶。
上級生らしく、男役らしく、清々しいご挨拶をする中で
「この景色も見納めかー!!」
と叫び出して何事かと思った(笑)。「アザゼルさん、お借りしました」とひとこちゃんを振り返る。
カーテンコール
美咲ちゃんに「1年前の今日がなんの日か覚えてる?」と問いかけた。
ひとこは相手役(美咲ちゃん)を前に出してしゃべらせたいタイプのトップさんか。
美咲ちゃんはコクコク頷き、ハンドサインのような感じで答える。これは挙動不審というのかなんというのか。
「覚えてるみたいだからOKです」と、ひとこ。
「1月19日は私たちがこの立場に立たせていただくと発表された日でした。その日から1年、それが千秋楽ということで、稲葉センセイが『今日は記念日』という歌詞を書いて下さいました。……ウッソでーーーーす!!これが本当のエンジェリックライ」
ひとこちゃん、最後にネタぶっ込んできた(笑)。観客が「え、そうなのか……稲葉先生すごい」みたいに感動してたの、返せ(笑)。
ひとこはこうやって笑わせたかと思えば、さらなるカーテンコールで
「あかりとは、宝塚に入らなくても一生かけて出会って、絆を築きたいと思える人でした」
特大級の「ひと→あか」を投入してくる。なんなのよ、もう。ただの愛の告白じゃないか。
あかさんは『風の次郎吉』のときにお父様を亡くされて、退団も考えておられたようですよね。
そのときに卒業せず、ひとこを花組に迎えて、ひとこに花組で送り出してもらえてよかった。
最後の花組ポーズはゆゆちゃんと退団者による掛け声でした。
退団者じゃないから学年相応の位置にいるゆゆちゃんを前に出して、「花組ポーズの説明する?」と提案してと、ひとこの気遣いでしたね。(ゆゆちゃんは固辞)
緞帳前
緞帳前ではひとことカチャのトーク。
晴れ女2人揃って、休演日の1日しか雨が降らなかったとか。
本当はこの日の千秋楽も雨予報だったらしいけど、2人の力で晴れました。すごい。
コロナ禍以降は規模は小さくなったとはいえ、千秋楽は入りのセレモニーとかやってるっぽいもんね。
「ジュビリー(記念日)」に関してもう一つ、ほのかちゃんのお誕生日も祝われました。
袖に向かって「おめでとう」と。
ほのかは袖の中で喜んでたみたい。
あ、そうそう。カチャが「専科は自分が卒業する組を選べるんですけど」って言ったときはドキドキしたわ……それは公表してもいいのか!って。
ひとこのお披露目でおめでたい中で卒業することに葛藤もあったようですが、それでも花組にご縁を感じて、愛のある中で送り出してもらえてよかった。
そうやって最後の日を選ばれる組であるというのも素晴らしいことなのでしょう。
花組は久しぶりの東西完走。おめでたさもひとしきりの千秋楽でした。
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