『たけふレビュー Blooming!』感想・4

第3章 夏

ラテンです。
夏といったらラテンなんですよとばかりに激しく踊る。
ダルマに後ろだけつけたスカートを激しく揺らす。
ここでも華蓮さんのダンスがえぐい。スカートを躍らせるの、うっま!!そして足さばきが華麗すぎる。
何者ですか。

客席降りは、椿くんは素手。椿くんは「はいどーぞーーーー」とばかりに景気よく手を差し出してくれます。
早めに行けば通路席は取れると思うので、触れ合いたい方は頑張ってください。
下手横扉から登場し、いったん下手通路に行ってからセンター通路に戻り、上手通路から舞台へ上がるという流れです。

ある日の下手側から登場した椿くん、客席の女の子のパラソルを取ろうとしてうっかり落とす。
拾って頭ポンしてました。

ほかの皆さんは綾棒(踊りで使うキラキラした棒)を持ってます。よって椿くん以外はお触り不可。

ここで「やんしき節」アレンジが入ります。
やんしきの武生民謡要素はどこに……と思えば、娘役さんの衣装の袖口が少しだけ和柄です。
いちおう元は民謡というのを忘れずにいてくれたらしい。それ以外は思いっきりラテンだけど。
あ、でも今年は「ヤーレこうらいや~」みたいなの歌ってなかったかも。

陽向くんは、客席でのお客さんと掛け合いの様子がなんか面白かったな。押し出し強いというか、顔でぐいぐいくるというか。
性格も面白い子なんだろうか。

第4章 秋

主演コンビのしっとりしたデュエットダンス。
茶系の衣装がいかにも秋らしい。
琴海さんの胴の部分が赤いドレスも素敵。

曲調はちがうのにダンスの振り付けはタンゴのような点も面白かったです。

第5章 冬

秋の場面から続いて「雪が降ってきた」と雪を手に受けて楽しそうに笑いあう2人。
しばし幸せそうな恋人たちのあいだに嵐が訪れます。

恋人たちが引き裂かれる中、花役の華蓮さんも登場。
翻弄される様子を連続したターンで表現。軸にブレがなくすべての動きが美しい。
さらに、嵐にあらがって、揉まれて、絶望しそうに力を喪っていく表情の虚ろさ。
顔の表情も手の動きも身体表現も、どの表現もが圧倒される。

単なるレビューのワンシーンとしてではなく、戦争のある現実世界での姿を想起させる場面です。

衣装替えした椿くんを筆頭として皆、風になり、風にあらがう人となり……。ここはコンテンポラリー系のダンスですね。
力強く進む様子は、翼のようでもあります。
前列でみんなを率いて踊る椿くんが、このたけふ公演約1ヶ月間の長丁場を率いる意気のようなものも感じます。

再びの春。
華蓮さんのダンスは若草が萌え出でるようで瑞々しい。
今回のキャスティングは神がかってるわ。

ピンクの衣装の主演コンビのダンスは、ある種のバレエっぽいのかな。
ストラヴィンスキーとかバレエリュスとかアルフォンス・ミュシャとかクリムトとか、そういうのをなぜか想起する。

45分の凝縮されたレビューで、いろんな雰囲気のダンスが見られてお得だわ。

男役さんたちとのダンスに入るときの琴海さんが、女王っぽい強い雰囲気でしたね。つよつよのつよ。
OSKの娘役って「君臨」という言葉が似合うよねぇ。

この場面の出演者たちの役名は「桜の男」「桜の女」。
春夏秋冬を経てふたたび春に戻り、桜の花が咲き、その桜は日本人がもっとも愛する花であるとともに、OSKを象徴する花である。

なんというか、おいしいな。
桜だと四季レビューの定番の流れに乗りつつ、OSKを前面に出してフィナーレを迎えやすいじゃないですか。

ラストは、いったん下ろした緞帳を上げての「桜咲く国」。ご挨拶などはなくさらりとやります。
この「桜咲く国」はレビューのおまけではなく、ひとつの場面なんですよといったところでしょうか。

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