『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』感想・1

星組公演感想,星組

星組大劇場公演『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』を観てきました。
11月22日(火)11時公演と15:30公演です。
どうにか2回観られてよかった……!

原作の『斜陽の国のルスダン』はタイトルロールがルスダンであることからもわかるように、女王・ルスダンが主役の話です。
星組ではトップ娘役のひっとんが演じてる役どころね。
宝塚の公演では男役トップスターのこっちゃんが主役になるように合わせて再構成されています。

原作自体が、無能な女王、淫蕩な女王といわれたルスダンに光を当てる作品で、悪く言われるのは時代のせいもあり、ルスダンにも別の面があったのではないかという描き方をされています。

こっちゃん演じるディミトリはルスダンの王配。
異国から人質として送られてきた元は異教徒の王子で、運命のいたずらによって女王になったルスダンの配偶者として愛を貫いて生きる男性です。
ベルばらのアンドレもびっくりなほどの影の存在です。
彼にとってはルスダンを支えることこそが愛なんですよね。

ただ、予期せぬ不運によって女王の座に就いたルスダンの権力も弱く、また異国から送られてきた元異教徒ということもあって政治家たちからは認められていない存在。
為政者としての力を持たぬ彼は、ルスダンの愛によってしか立場を得られない。
しかし謀略からくる行き違いによりディミトリはジャラルッディーン(せおっち)に仕え、しかしルスダンとジョージアへの愛は揺らぐことなく、彼なりの使命を果たす。

幼少期にルスダンによって「ディミトリ」と名付けられた彼は、ひたすらに「ディミトリ」としてジョージアとルスダンのために生き、そして死ぬ。
それを昔語りとして舞台にあらわす物乞い(組長ちーくん)とリラの精たち。
美しい衣装と、ダンスと音楽に彩られた愛の物語でした。
ジョージアンダンス、素晴らしかったわ!!

女王ルスダンとディミトリの仲を裂くアヴァク・ザカリアン(ありちゃん)の描かれ方は宝塚用にかなり膨らませていました。
番手的な意味合いもあるでしょう。
原作では言ってみりゃただの悪役だったアヴァクが、宝塚の舞台では悪事をたくらむに足る理由を付され、さらにはディミトリたちを認める人物に変わりました。
いい改変だと思います。

あと、せお琴のBL感は原作のほうが強かったですね(役名で書け)。
ことなこのトップコンビで愛に生きないとね、宝塚は清く正しく美しい世界なので(笑)。

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