『ベルサイユのばら』フェルゼン編・東京新公を見たんだ・1

『ベルばらフェルゼン編』の新公が行われました

東京宝塚劇場公演「『ベルサイユのばら』フェルゼン編」の新人公演をライブ配信で見ました。
9月12日(木)18:30からです。

新公主演はよっしーこと蒼波くん(104期)、新公ヒロインは白綺さん(107期)、新公2番手はのりぴー(105期)です。

新公担当の演出家は中村真央さん。
過去には月組『応天の門』の新公担当もしていました。

新人公演ならではの演出

『ベルサイユのばら』は一本物。そのため、全部上演することはなく、一部をカットして約1時間40分に収まるようにします。
新公担当演出家の腕の見せどころです。

今回の目立った変更はこんな感じだったかと。

1.プロローグの「ごらんなさい」割愛
2.場面の順番入れ替え
3.「セラビ・アデュー」割愛
4.スウェーデン王宮からのフェルゼン客席降りなし
5.プロローグC、コンコルド広場の場面なし
6.フィナーレなし

まず、6のフィナーレなしは通常営業ですね。
『エリザベート』や『ミーアンドマイガール』などの1本物ではフィナーレはやりません。

1のプロローグなしは時間短縮と、仮面舞踏会に大ぜいを並べるほうを選んだからかな。
新人公演ながら人海戦術を駆使していて、舞台がさみしい感じを受けませんでした。
なお、通常の2幕初めの小公子・小公女たちの場面はありました。

2の場面の入れ替えは、途中休憩が入らない新公だからこそでしょうが、ストーリーの流れとしては素直でわかりやすい。
今宵一夜のあとにジェローデルから「オスカルは死にました」と告げられ、そこからバスティーユの戦いへとつながります。

本公演だとオスカル(2番手)・アンドレ(3番手)を2幕にも出したいために無理な流れになってるんだろうと思います。
新公だとそもそも1幕・2幕という切れ目がないし、その後のバイトも楽(笑)。
スウェーデン王宮にオスカルもアンドレも転生してて面白かったわ。

ジェローデルの「オスカルは死にました」からそのままバスティーユの戦いへとつながったので、流れ上オスカルたちを惜しむ「セラビ・アデュー」割愛。
そもそもが退団するトップスターである咲ちゃんへ宛てた歌だから新公向けではない、という意味合いもあるでしょう。

バスティーユのあとにスウェーデン王宮でのグスタフ三世とフェルゼンのやり取り。
本公演ではフェルゼンが1階客席を走り去るところですが、新人公演では上手から下手へと銀橋を渡りハケていきました。
このほうが2階席の人にも見えていいんじゃないかな。

2の場面の入れ替えに応じて、失神悶絶夫人たちのコンコルド広場の場面とプロローグCも割愛。
プロローグCは序盤のフェルゼンとアントワネットの逢引の場面とかぶるから、ということもあるでしょう。

全体的に、中村真央先生グッジョブ!な新公演出でした。

すわんちゃんシッシーナ夫人がフェルゼンに「ご立派になられて」と声をかけるアドリブは、新公らしい愛ですね。

雑感

とにかく新公ヒロインであるマリー・アントワネット役の白綺さんの上手さが光りました。
ベルばら歌舞伎を踏襲しつつ、歌もダンスも芝居もうまい。さすが107期入団首席。
ドレス捌きも美しかった。

よっしーは新公最終学年での主演。
歌声がバーンと出るのが強いですね。殺陣もうまい。

演出も出演者もともに良い新人公演でした。

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