咲あや版『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』感想・3

・ベルばら2幕初めは小公子と小公女たちのナンバー。1幕初めの「ごらんなさい」に近いけれど、ずいぶんと不穏になっている。貴族社会の翳りが濃くなっている。

そして続く革命市民たちのダンスシーンは昭和のベルばらとはテイストが違う場面に。私はけっこう好き。でもパステルカラーの世界からいきなり黒や赤になるからびっくりする。

・すわっちのジェロ―デルは劇画っぽい。ベルばら自体、少女漫画と劇画のハイブリッドか。

・今回、専科さんが4人も出演されているので全体的に雪組生の役付きが渋い。(私が観た回は汝鳥さんが休演されていたので専科さんは3人)
ゆえに、市民とかに上級生が思いっきり交じってるのであった。

・はいちゃんのアラン、めちゃくちゃかっこよかった…!あーさオスカルが市民側に立つと宣言したときのニヤッとした嬉しそうな顔がいいわ。

・1幕で今宵一夜、そして「オスカルは死にました」なのでオスアン2幕って出番あるの?と不安だったがちゃんとあった。時間をさかのぼってバスティーユの戦いです。

なぜ着いてきた、何度撃たれるねん!なアンドレ。
「守る」という意気込みだけで行動するのはよしなさい。でもアンドレが寡夫になってもアレか。

あがちんアンドレはダンサーらしく撃たれるのが上手かった。
何発か連続で撃たれるときは、1発目はあまり動かず、2発目で大きく動く。1発目の弾は体幹で受け止められるけど、2発目以降は衝撃に耐えられないって感じかな。

・なんだかんだ盛り上がってしまうバスティーユの戦い。
オスカルをセンターにしたあのダンスは好きだわ。

・夢白アントワネットは気高く美しかった。涙を流しての熱演。
華やかに髪を結いあげてドレスを着た姿も美しいが、粗衣になり髪を短く刈られてもなお気品と美しさがある。
断頭台に向かう白い階段を上る背中が凛としていた。

芝居のできるいい娘役さんだ。

・アントワネットを「死なせてあげてください」というロザリーに「死の天使」「死の使者」という言葉が浮かぶ。
いや、わからんではないのよ。命よりも大切なものがあるという価値観は。
昭和のロマンってそういうものも大きかったし。

でも自分(ロザリー)の命はともかく、他者(アントワネット)の命ですからね。
だから夫・ベルナールを止めての「死なせてあげて」は残酷に見える。

・新曲(だよね?)「セラビ・アデュー」はバスティーユの戦いで命を落としたオスカルへの歌であるとともに、咲ちゃん自身が宝塚に別れを告げる歌。

・フィナーレは振付も一新。
ずいぶんと現代的になりました。

全場にトップの咲ちゃんが出演してるんですよね。おおおおおお疲れ様です!
でもショーがないから体力的にやれるのかな。

・エトワールは夢白ちゃん。
トップ娘役はできれば相応の順番で、つまり男役トップスターの前に降ろしてほしい。
エトワール適性の高い、今回で退団の歌姫・ありすちゃんもいるんだし。(これまで何度もエトワールやってるけどさ)

今回の場合は、オスカルあーさをトップスターの前に降ろしたかったのかな、という気はするけれど。

初日にパレードでどんどん舞台上から捌けていくジェンヌさんを見た人はすごくびっくりしただろうなぁ。
再度、客席通路から登場する姿にも。

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