東京ロミジュリBパターンを見たんだ・1

星組公演感想,星組

ロミオとジュリエット

東京宝塚劇場公演『ロミオとジュリエット』Bパターンの配信を見ました。
5月2日(日)18:30からの公演ですが、この日は無観客でのライブ配信です。
これまでもMSやDSで無観客の配信はありましたが、本公演ではたしか初めてだったはず。

配信は開演5分前からで、いつもは聞こえる客席のざわめきが聞こえない。
ざわめいていると「こんなときだから静かにしてくれええ、しゃべるなああああ!!」と思うんですが、ほぼ無音というのも不安に駆られるものですね。
非常時であるのを否応なく突きつけられる。

幕間や終演時にもちらりと映る無人の真っ赤な客席にも胸が痛い。
ジェンヌさんたちは無人の客席を前にどんな気持ちで演じるのだろうかと。

さて、配信の感想です。
ことなこ版ロミジュリBパターンは2回目。初見も今回も配信です。

・愛を演じたきさちん。可愛い。
以前から女装も多い人だけど、淡いピンクのドレスもしっくりきて、柔らかい中に芯の強さも感じさせる。

・愛ちゃんの死は、出てきたときのツヤサラロングヘアが少女マンガ。

冒頭の争いのシーンできさちん愛に伏せられてから、顔を上げたときのホラー味、髪を乱して踊るところの凄味がものすごく愛ちゃんです……!
見た目が少女マンガでもラスプーチンやグイド司教、プガチョフを演じたことがある人ですよ。

「憎しみ」の場面の愛ちゃんの死は、自分の体に手を這わせてるところでものすごくけしからんものを見てる気になりました。
ほんと色気がおありでいらっしゃる。
手の使い方がものすごく美しいのよ。美意識を感じる。

この日の愛ちゃんの死は、初見時のヴェローナの街を支配し飲み込むような圧倒的な力は感じませんでした。
演技の変化か、配信時のカメラワークの違いか、こちらの気のせいかは謎。

「僕は怖い」ではロミオに寄り添っているような感じを受けました。
はじめは「怖い?怖いの?どうして」と上目遣いで問うように、ロミオにひたと寄り添う。
でも途中で「なーんてな!」とばかりに突き放してくる、これぞ「死」。

魂を呑むところはやっぱりラスプーチンを思い出す。(あの役インパクト強すぎてなぁ……)

・ヴェローナの人たち、モンタギュー家もキャピュレット家もそれ以外も顔面偏差値が高すぎる。
スタイルも良すぎる。

・大公はるとの貫禄がすごい。まだ研10になってないよね。
ふつうに管理職あたりにいそう。

・こっちゃん演じるロミオは、初見(ムラ)のときよりふわふわ感は落ち着いたかも。
絶対に妻子を養えないぞ!な詩人ぽさは抑えられて、ちょっとは現実と折り合いをつけられそうなロミオに着地していました。
でないと乳母もジュリエットお嬢様を託せないからね!

舞台人・礼真琴としての凄さは健在。

「世界の王」「マブの女王」ときてからの「僕は怖い」。
琴ロミオの出番がめっちゃ続くけどまったく声がぶれない、息も切れない。
中の人を忘れるほどに易々とハイクオリティーな舞台を見せてくれる。

もちろん本当に「易々と」やってるかどうかはわからないし思ってもいないんですが、舞台人として中の人の苦労に思いを致させないところにこっちゃんのプロたるゆえんを感じます。

・この日はB日程が最後ということで、終演後にご挨拶がありました。

出演者が悪いわけじゃないのに謝られるのが辛い。
急遽決定したライブ配信に私は楽しませてもらったのだから、感謝したいほどだ。

B日程メンバーでのライブ配信の話で涙声になるこっちゃんにはもらい泣きしそうになりました。

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