『レビューRoad to 2025!!』感想・3

「魂」の景からわかりやすくレビュー的なものになっていきます。あるいは「歌劇」的なものというか、見慣れてとっつきやすい。

木曾殿の最後は、源平の戦いのあと、義経達に木曽義仲が追われる話です。
有名な女武者・巴御前も出てきます。

京我くんはほんと芝居の人だなーーー!!とショーでも思った。
一条忠頼の憎々しさよ。

木曾殿の最期は演劇的な見せ方も面白かった。
刀で戦うところ、途中で扇を使っての二刀流になるのは舞台ならでは。
木曽勢が本舞台から降りて客席通路に居並び、対する鎌倉勢は本舞台で対峙する。
セリも盆もないTTホールだけど、うまく工夫した。
お客にしたら、なんであれスターさんたちが自分の近くにきてくれたらスペシャル感があって嬉しいし、しかも1階席しかないから、客席降りでオミソになることもない。

千咲さんは山吹。
名前をよくあらわした山吹色の衣装ですね。
彼女も女武者で、手負いゆえに義仲が戦場から去らせます。
命を賭して最後まで戦いたかっただろうという無念さ、歯がゆさの表現も美しい。

義仲の乳母子・今井兼平に椿くん。
乳母子は特別な関係ですもんね、同じ釜の飯を食った仲どころではない、ふつうの主従とは違いますから。
互いを思いやる中で命を落とす。

元の話(平家物語など)では、「義仲が討ち死にする⇒今井兼平が自害する」ですが、この舞台では「今井兼平が討ち死にする⇒義仲が亡くなる」だったような。
トップスターさんに見せ場を引っ張ってくれたのね。
そのあとの巴御前の歌にスムーズにつなぐ意味もあると思う。

「清ら」の景では前場から出ていた巴御前の登堂くんのソロ。
配役を知ったとき「でかいよ!!」と百人中百人が思ったであろうことを私も思ったんだけど、所作や雰囲気がちゃんと女性なんだよね。
目に涙を浮かべながらの愛した人を喪っての痛みと切なさが伝わるソロでした。

輪廻転生をテーマとするレビューの締めくくり。

菩薩に櫻子様というのは、ここだけの出番なのがもったいないようないっそ贅沢なような。
地空の果てにいるような、浮世とは違う世界線を出せるのがさすがである。

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