
1月23日に行われた、宙組宝塚大劇場公演『Razzle Dazzle(ラズル ダズル)』の新人公演の感想の続き。
主演/レイモンド・ブルー/なるくん
主演のなるくん、よかったです。
新公初主演にして登場が銀橋というすごさですが、ライトを撥ね返すような強さがありました。
序盤のレイモンドの甘ったれた感じは、愛嬌の具合がまさお(元月男1)を思い出しました。
可愛らしいんですよね、若いし、小柄だしで。
キキちゃんの大らかなスター感とはまた違いますが、これはこれで。
「ハリウッドいち裕福な孤児」で遊蕩三昧で生きてきたレイモンドが、愛した人を傷つけた痛みから大人になっていく。それを歌でしっかり聴かせました。
ダンスの人のイメージが強い人ですが、歌もきちんと歌いきって、全国ツアー以来、歌唱力でも頼もしさが増しましたね。
最初の歌もよかったですが、2曲目、3曲目の静かな歌い方のほうが心に沁みました。
最後のほう、「レッツダンス!」(だったっけ?)の銀橋ジャンプが高かったのはさすがです。
2番手/トニー・デイヴィス/ナオレート
トニー・デイヴィスを演じたナオレート氏は、ずんちゃんのとはまるで違う雰囲気で面白い。
ずんちゃんトニーは軽やかでザ・包容力と愛の人。
オンもオフも明るく優しい王子様の雰囲気。
それに対し、ナオレート氏のトニーはどこかミステリアスで、虚実がわからない映画スターのおもむきでした。
ドロシー・レインをめぐっての賭けも、本心がどこにあるのはわからない。それが魅力。
もしかしたら、トニーがアビゲイルを手に入れるための策略かもと思えてしまうところがある。
上手いとか下手とかを超えて、こういう独特の雰囲気があるのは強いなぁ。
どこかで読んだ、花組のだいやっぽい湿度があるというのに納得。黒髪も似合うし。
あ、でも歌は上手くなってたような。私は耳音痴なので保証はできませんが。
ナオレートのトニーには、「スカピン」のショーヴラン並みに泥水すすって育ってきた過去とかあってほしい、なんとなく。
本公演とは体格差が逆なので、「映画スターと付き人」という嘘の関係性に真実味があるのも面白かったですね。
ヒロイン/ドロシー・レイン/こまち
新公ヒロインのこまちちゃんはとにかく華やかな美貌。登場時のニットがあまり似合わず、ドレスが似合う。
めちゃくちゃ月組トップ娘役のあましに似てました。似てるよね?
芝居は丁寧にはるさくちゃんから学んでる感じがしました。
歌も上手かった。
歌に芝居に全力だけどまだ弾けきらない硬い感じを受けましたが、経験を積めば変わっていくでしょう。
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