『パッション・ダムール -愛の夢-』感想・10

2020-12-08雪組公演感想,専科公演感想,雪組,専科

・SHEは、白い衣装の縣くんのソロダンスから始まり、娘役さん3人が出てきて、縣くんのソロ歌唱へという流れ。

「縣です!」な強くダイナミックなダンスのイメージが強いけれど、しなやかなダンスも得意なのだった。
伸びやかに空気を動かしながら踊る。
バッドパワーのときみたいな「縣です!」なのも彼だけど、縣くんの本来の性質としてはこちらのイメージを持ってます、私は。

縣くんの何よりすごいのは、舞台を埋められること。
初日からなんの物足りなさも不安もなかった。

新公で大劇場のセンターが似合うと思ったのと同様、バウくらいのサイズだと1人で余裕で埋められる感がある。
これは持って生まれた資質で、努力を超えたすごいスター性だと思う。
先のカレンさん、翼くんとは対極で、でもどちらも宝塚には大事です。

娘役さんたちに対する愛が見えるのもいい。

終わりぎわに歌に入るのは「あ、歌うんだ……」みたいな気持ちにならずにいられませんでしたが、これも修行である。

・黒燕尾カチャ「愛の歌」ソロ

徐々にボレロに。

黒燕尾は宝塚男役の制服。
カチャは専科として雪組生を率いているだけでなく、宝塚そのものを背負って踊っているように感じた。
正確に、きちんと、正統派な踊りを見せる。

カチャが来ていた黒燕尾は、背にS字の模様が入っているもの。
たぶんドSのちぎたさんとか、出島のちなっちゃんとかが着てたものだよね。
(私、この黒燕尾を見るたびよしなが『大奥』の流水紋を思い出します……)

縣くんは、こころなしか大劇場より伸び伸び踊れてる気がする。
人数が少なくて隣との間隔が広いから、長い腕を伸ばしやすいのだろうか。

・ご挨拶、トーク場面がかなり長くあったのは嬉しかった。
初見時はご挨拶が始まったときに「公演、もう終わり⁉」とびっくりしたなぁ。
毎回3人の雪組生のトークが聞けるのはとても嬉しかった。
なじみのある中堅以上のジェンヌさんも、まだまだ未知な若手ジェンヌさんも、こういう場で興味を惹かれたりするのよ。

・ラストの曲は「さよならGoodbye」。
予想外なしっとり系の曲で、正直なところ「えええええ」という気持ちに。
なんかこう、もっとテンションぶち上げて終わらんのかい!!みたいな。

・そしたら、カーテンコールのあとはガツンとくる主題歌でちゃんとしめてくれました。
よかったよかった。

カテコなどでまったり感を出してた縣くんが、人が変わったように熱を発して踊り出すのがめちゃくちゃツボである。
瞬時に男役スイッチが入るんだろうなー。
切り替わりが見事すぎてちょっと面白い。

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