『桜嵐記』感想・2

今回の月組大劇場公演、嬉しいことにひさしぶりのSS席でした!
みやすーーーーーい。
友会はわりと友。

中世の絵巻物のようなセットもよく見えました。

もちろん見やすいのは出演者たちも。
見目麗しいわ、楠木三兄弟!!
他の登場人物も、きらびやかな衣装を着てキャラ立ちしていてもちろん美しい。だって宝塚だもの。

『桜嵐記』にはめちゃくちゃたくさん登場人物がいて(おかげで2役やってる人もたくさん)、中世の日本史に興味のない人にとっては頭がこんがらがりそうな作品です。
時代もいくらか行き来するしね。
なにがどうなって南朝・北朝の2朝が立っていたのか、だれがどっちサイドの人間なのか、貴族と武士の力関係とは――といったことを念頭に置いておかないと、なぜ主人公たちが南朝側の人間として戦っているのかがわからなくなります。

その説明のために、冒頭、るうちゃんによる約5分の南北朝講座があります。
鎌倉時代の武士のありようと堕落、後醍醐天皇の親政、南北朝に分かれた経緯などをキーパーソンの登場とともに時代を追って説明してくれる親切仕様です。
ああ、学生時代に観たかったわ、これ。
貴族と武士の力関係の推移を見せつつ、主人公・楠木正行の登場へとつなげていきます。

私が観た2回は、この場面で後醍醐天皇・ヒロさんや、楠木正成・まゆぽん、足利尊氏・おだちんの登場に拍手が入ってました。
だって鼓の音とともにスポットライトが当たるスター登場仕様なんだもの。拍手入れたくなるわ。
今は拍手が入ってないと聞いております。
まぁ。ちょっと舞台の流れが途切れたりもするので、拍手を差し控えてほしいという気持ちもわからなくはありません。

南北朝時代背景講座のあと、華やかなプロローグに。
プロローグでの楠木三兄弟の性格の見せ方がまたお見事なんですよ。

「戦場は俺の遊び場」な三男・正儀(れいこ)。やんちゃでチャラいが、現実的でもある。
「かような危ない遊びをしたがる者の気がしれぬ」な次男・正時(ちなつ)。戦には積極的でなく、愛妻家。舅には「婿選びを間違った」と言われる。
そして男気があり、義の心と情に厚い長男・正行(たまちゃん)。

いずれもタイプの違う美丈夫。
昔だったら「つきあうなら○○でー、結婚するなら▲▲がいいわ!」とキャッキャするやつです。

たまちゃん演じる長男・正行は超王道のいい男です。
性格もいいしみんなに慕われてるし、河内言葉をしゃべってみせるときの照れ感もかわいい。
武士を低くみる南朝方にあって、忠義を尽くす必要もないと思うのだけれど、それでも自分の信念によって生きていく一本気な部分は好ましいと思う。
足利尊氏からの誘いを受け、また南朝のために戦う意義に悩みつつも、知るかとばかりに振り切って負け戦に向かう。
困ったことだが、古典的で日本人的な美学です。

ちなつ演じる次男・正時。
昔だと、舅(ぐっさん演じる大田佑則)の言うとおり頼りにならんという甲斐性のない男……ということになるのでしょうが、現代だと人気あるタイプだよね。
温厚で、妻を大切にして、料理がうまい。
妻・百合(うみちゃん)との視線の交わしあいの温かさも心に残る。

どうでもいいがウエクミは舞台上で獲物をしとめるのが好きだな。

れいこちゃん演じる三男・正儀。
れいこちゃんは黙って舞台に立ってりゃ耽美な美青年だというのに、面白いことをさせたくなってしまうのは演出家のサガなのだろうか……。
旅の途上で弁内侍・さくさくが腰かけてる石にわざわざ座り、「姉ちゃん茶ぁしばかへん?」的に言葉をかけて避けられてる感じとか……。なんか泣ける。
でもいちばんまともな判断してくれるのはこの人かもな。だから生き延びることになったんだろうし。
なんだかんだお兄ちゃん大好きなのも可愛い。

残される者、託された者の辛さと責任も感じられました。

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