
風色日向主演の宙組バウホール公演『MY BLUE HEAVEN -わたしのあおぞら-』を観ました。
斎藤先生なので、開演前には映像がいろいろです。こんなのでした。
(横濱の歴史ですかね)



現地・バウホールで1回観たあと、ライブ配信で千秋楽を見ました。
ちゃんとストーリーがあって面白い。佳作です。
「NHK朝ドラのダイジェストっぽい」という感想をどこかで読みましたがほんとそんな感じではある(笑)。
関東大震災と戦前・戦後が含まれるところが特に朝ドラ。
それでいて舞台らしい見せ場や盛り上げ方も心得てらっしゃるのはベテランの腕ですね。
そして主人公・ジョーイがかっこよく見える作品なのが素晴らしい。
なにせ宝塚だし、しかも役次第でジェンヌさんの今後の人気も左右されますから。
脚本がでダメな人物設定がひどいと、いくらジェンヌさんが頑張ったって限度があります。
その点で今回のサイトー先生はとてもいい仕事をしました。ナニーロさんの人気、今回で上がったんじゃないかな。バウだから見た人はそれほど多くないかもだけど。
ジョーイ=天地楽の、博打の腕(サイコロ)があって、ボクシングが強くて……ってのは男子(サイトーくん)の夢ですかね。
人情に厚くて、詐欺もするけどヒロインのためで、でも結局は相手をだまし続けることに良心の呵責があって……とちゃんとした人間である。
ヒロイン・ヤヨイへの想いもナチュラルな芝居の中にシャイな気持ちを見せ、幼馴染のライアンとの友情も美しい。
孤児に振り回されてるのは可愛げがあって、それもジョーイの人柄の良さ。みんな懐いてるしね。
さらに、ナニーロさんは体格が良い。
客席の皆様が肩に乗りたくなるほどの肩幅に、しっかりした長身で脚も長い。
出征するときの軍服での片膝つきもかっこいいのである。
田島房江(おさよ)の亡くなった甥のふりをする場面では、スリーピースのスーツが似合う。
ああなんという宝塚の王道。スッとして力強い佇まいである。
大詰めのピンチには突然やってきてダイス(サイコロ)で武器をはじくナニーロ。めちゃくちゃかっこいいが少々笑える。(でも見せ場の演出、上手いよねぇ)
遠山の金さんを思い出したわ。
そして最後の、不意打ちほっぺちゅー。
してやったぜ風の演技も含めて、なんかもう、夢てんこもりですね。ひぃぃぃあああああと変な声出そうになったぞ。
上演が延期になって脚本を練る時間があったのかもしれないけど、サイトーくんよくやった。
さて、配信はバウの千秋楽でした。というか東上してないからこれが最後。
通例どおり、千秋楽には公演の長と主演のご挨拶があるわけですが、公演の長である副組長・なっつは自身の挨拶のあと、ナニーロさんのご挨拶の前になにかやらせることにしたようです。
「おい、俺のダイス返せよ」
ご挨拶の前にやらされるのって若干新しいですね。
ていうかこれ、ネタ化してるのか。
カーテンコールではライブ配信のカメラに投げキスし、上手の組子にも下手の組子にも投げキスするひなこ。
きゃーってなってる宙組生が可愛いわ。
その場でノリでこういうのやれるのって強い。
いやもう、ほんとすごいですわナニーロさんたら……。
良いものをありがとうございました。
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