『LOVE AND ALL THAT JAZZ』を見たんだ・1

月組公演感想,月組

おだちん主演の月組バウホール公演「『LOVE AND ALL THAT JAZZ』…ベルリンの冬、モントリオールの春…」のライブ配信を見ました。
10月18日(月)14:30からの千秋楽です。

1回しか見てないし、途中見逃したところあるし(回線止まった……)、よくわからないところもあったんですが、トンチキな作品だったということでいいでしょうか……?

ところどころ、ネモ的な、マトカ的なものを感じました。
まぁ谷センセイの作品ですし、それが作風なのだから当然と言えば当然でしょうか。

ネモ船長(咲ちゃん)は瞳を交わして島民の心をわしづかみにしていましたが、ジャズピアニストのルーカスさんは微笑みで出会う人すべてを動かしていました。

ルーカスさんの微笑みのせいで、みんな脱走の手配も脱獄の手伝いもしちゃう。
すごいカリスマ性だよ。
びっくりだよ。

もちろんルーカスさんはただ微笑んでるだけの人ではないし、ユダヤ人のレナーテちゃん(おはね)を助けるような正義感と自由を愛する心を持つ人だからというのがあります。
けれど、あまりにも出会う人たちがみんな善良で(スパイとかいるけど、結局改心したり、自分のしたことを白状したりするしね)、ルーカスさんに献身的なのはもはや童話のようというか、「んなわけあるかーい!」というツッコミ待ちに思えてしまうのですよ。

そのツッコミ含めてめちゃくちゃ楽しかったです。

でもさ、回りの人たちがルーカスにした手助けってたぶん命がけよ。
皆殺しの谷なのに登場人物がほぼ死ななかったのが不思議なくらいです。
いや、もしかしたらルーカスや我々の知らないところで死んでるのかもしれんが。

1幕終わり、ルーカスおだちんとレナーテおはねを執拗に撃ったゾマー少尉ぱるを囲んで「CARAVAN」(歌詞は変更)を歌い踊るパリのジャズ・クラブの人たちにもマトカを思い出しました。
ボンゴ~ピュアホワイト~みたいなやつ。

谷センセイらしさはセリフなども。
長い説明調のセリフがとっても谷センセイ。
ただ、演じてるのが芝居がうまい月組生なもので、セリフも作品もねじ伏せてくるんですよね。

谷作品をねじ伏せる月組生たち、恐ろしい子!!(白目)

月組だからあのセリフもふつーに聞けてしまったけれど、演じる人によってはかなりキツかったと思うよ。

ジャズを中心にした作品(タイトルにも入ってる)なのに、ジャズと昭和歌謡的なものが混在してるのもカオスでした。
どっちもうまいけどさ、おだちんもおはねちゃんも!!
うまいから聴けちゃうけど、世界観的にはわけわかんなくて笑えました。

歌といえば、最後のおだちんの歌、長かったですね~~~~~!!
7分くらい?(よく覚えてないけど)
あれを聴かせるのは力技だわ。すごいわおだちん。

なげええええと思ったけど、ルーカスさんが踏破した雪山が約500㎞と知り、そりゃあの長い歌になるわなと思いました。
ていうか、ろくな装備もなくよく生きてたどり着けたな。
最後に再会できたレナーテは死に際の幻想であってもやむないところよ。

かなりツッコミどころのある設定と展開を、力技でねじ伏せたおだちんたち月組生に乾杯せずにいられません。

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