『黒蜥蜴』新公感想・2

宙組大劇場公演『黒蜥蜴』新人公演を観てきました。
6月18日(木)18時開演です。

主演/明智小五郎/のあん

今作の新公主演はのあん。
106期、研7で今回の新公主演かつ新公の長でもあります。
新公メンバーをまとめつつ引っ張りつつ自らがスターとして出る。すごく大変なことかと思います。それを見事にやりこなしました。

元より実力派。
歌に芝居にダンスにとかれの能力はファンの認めるところ。174センチの身長・体格的な押し出しもある。
1期上(105期)の劇団推しが強くてどうなるかとファンはやきもきしていたところでしょうが、最終学年での新公主演を取りました。

私個人としては、あえて新公主演しないほうが元月組で現専科のまゆぽんのようにおいしく使われるんじゃないの?と思ってしまうんですけどね。
(新公主演するとどうしても番手的な縛りができてしまうし「路線落ち」云々で戦々恐々とする未来もある。『悪魔城ドラキュラ』『ダリ』であの活躍ができたのは路線外で専科に行ったからこそと思う)

と、醒めた感じで書き始めてしまいましたが(すいませんね)、今回の新人公演ではのあんが実力を遺憾なく発揮。うまいうまいうまい、めちゃくちゃ上手いし面白い。
観ながら「あー、ファンが『伝説の新公』って言い出すやつだ」と思いました。

のあんの明智は、まず「悪そう」。
ハットから覗く視線が怖い。

昏迷した時代の東京の匂いを出し、犯罪者側にいそうな怖さがあるのあん明智。
いちおう社会生活を送っているものの職業はうさんくさい「探偵」で、人の秘密をあばくのが仕事。人間性がよくては務まらない。
「犯罪に恋した」人間の闇がある。

たぶん、わかりやすく性格悪め。
エイティ演じる真木警部補を呼び止めるときにめっちゃ「補」を強調してくるし。お前wwwww

その一方で東京タワーの場面で、黒蜥蜴と衣装を取り替えた愛城さん吉野に「けっこう似合うな」などと言っており、そこは本公演より優しかった。

歌唱力も高くて、銀橋の歌なども素晴らしい。本当に新公初主演ですか?
いいものを見ました。

ヒロイン/黒蜥蜴(緑川夫人)/あやめ

今回のタイトルロールの黒蜥蜴はあやめちゃん。
108期、研5。今回が新公初ヒロイン。
同期のこまちちゃんとは「恋恋」と呼ばれる長身美人娘役コンビ。成績も良い。

『MY BLUE HEAVEN-わたしのあおぞら-』の少年ジョーイ、『Beautiful SKY !!』のロイ・フラーが素晴らしかったので、彼女を観たくて新公にきました。

まず美人。そして視線が強い。
宝塚メイク映えする顔立ちに「女賊」にふさわしいメイクをほどこしている。
まずビジュアル大事ですからね。そこが合格だと嬉しくなる。(美人娘役さん大好き)
ていうか、黒蜥蜴=緑川夫人が美しくないと、この作品のロマンや美意識が成立しませんから。

さらに黒蜥蜴という役の性質は、なんなら男役の女装のほうが似合いそうなところ。
美しさにくわえて男役に近い強さが必要。
本役のはるさくちゃんもすごいですが、新公のあやめちゃんも立派でした。

黒蜥蜴の美意識や性格は、常人に理解できるものではない。
セリフも人を翻弄するたぐいのもので、その瞬間瞬間に感情が切り替わる。
さらにタバコ、トランプ、ピストル、電話、宝石その他の持ち物、小道具が多く、その段取りをしながら膨大なセリフをこなさなくてはならない。

経験値の低い新公学年の生徒、それも男役に比べて経験値を積みにくい娘役がこなすのは大変だったと思いますが、違和感のないレベルで務めていたのはさすがでした。もちろん、回りのサポートのあってのことでしょうが。

こちらも本当に新公初ヒロインですか? と聞きたくなる出来でした。
ロイ・フラーのときには憑依型の役者かなと感じました。
今回は憑依してるようには感じなかったのですが、それでもきちんと「黒蜥蜴」でした。

東京の新公も配信で見たいです。

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