
宙組大劇場公演『黒蜥蜴』を観劇してきました。
5月23日(土)13時公演(初日)と翌24日(日)15時30分の回です。
開演前に初舞台生の口上あり。だから開演前の舞台セットは撮影できず。蜥蜴の映像が歩いて、「黒蜥蜴」の文字に組み込まれるのが面白い。
あとは新公日に観る予定。
タイトルロール・黒蜥蜴/緑川夫人の力量が物をいう作品だから、あやめちゃんの演技が楽しみ。
※以下、ネタバレ要素ありなので気になるかたは注意※
作品について
まず、2回観ることをお勧めします。
なるべくなら初回は今回の宝塚版を何も知らずに。
1回目におぼえた違和感が、2回目を観ることで解消できる気持ちよさが得られるはずです。
原作の三島戯曲はOK。
現代にあっては難しい言いまわしが多いので、読んでおくと理解がしやすいかと思います。
そして、今回の宙組版が本当に三島由紀夫の『黒蜥蜴』をベースにしていることがわかるかと。ほんと、文字上はほとんどそのまんまなんだよ。
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岩瀬早苗/桜山葉子……みねりちゃん
初回は原作や花組キムシンバージョンの流れで観ていて、それだけに節々に「あれ?」という違和感があった。
座敷牢にいる早苗が歌う「さらわれたい」や、葉子が1週間ほどで早苗になりすませるものだろうかとか、雨宮への態度とか、最後の「偽物の宝石」云々の明智のセリフとか。
でも2回目に見たときにだまされていたと気づきました。座敷牢から椅子で運ばれ船に乗ったのは身代わりではなかったと。
さらわれたいという願望を持つ早苗と、安穏な生活を送りたいという葉子の利害が一致するように仕向けられたのだと。
生田くんに気持ちよく騙されました。
宝石商のご令嬢・早苗。
マイティー演じる雨宮と出会ったときに「予感がする」と言い、ラストでナニーロさん(堺)に「あなたの攫われたいという望みは叶った」と言われる。
ここが、船で捕らわれていたのが「葉子=早苗の替え玉」だったとすると辻褄が合わない。
黒蜥蜴の船にいたのは葉子ではなく「早苗の替え玉」のふりをした早苗本人ってことでいいのかな。
で、「同じ顔でも大違い」と自分の境遇を嘆いていた女性=葉子は、無事に早苗として生きることになり、結婚相手もあてがわれると。
(なお、葉子が堺たち明智の部下にスカウトされる場面は三島脚本にはない。葉子のバックグラウンドもここまで詳しくない)
葉子は当時憧れの職業だったタイピストの職をセクハラによって奪われ、心ならずも娼婦に身を落とした女性。
苦労なく生きたいという願いを持つ。
たまたま早苗とうり二つだったというご都合主義的な存在ではあるが(実のところ乱歩はこういう無茶だらけである)、生田先生流のラストの改変が今回はお見事でした。
2役を演じるみねりちゃんは演技巧者でかつさすがの娘役のプロというべきか。
上手い、可愛い。
メインの役となる岩瀬早苗は原作によれば19才、溺愛されて何不自由なく育ったお嬢様の快活さと融通無碍に、世間知らずの夢見がちな清らかさと豪胆さを併せ持つ。
動きの一つ一つがきれいで、宝石のように育てられたのがよくわかる。
そして、実はワンシーンしか登場していない葉子。
心ならずも身を落とした女性でそれゆえの影を持つ。
2役の演じ分けもさすがのみねりちゃんでした。
偽物の宝石
「偽物の宝石を」云々の話。
三島戯曲ではきちんと「本物の宝石=黒蜥蜴」と示されていて、黒蜥蜴が亡くなったからダイヤモンド・サファイアなどを商う岩瀬氏(まりんさん)にあてこすっている。
宝塚宙組版では、最終的に早苗と葉子の入れ替わりがあり、岩瀬氏がそれに気づいていないことが示唆されている。
つまり「本物の宝石=早苗」であるが、葉子に変わったことにも気づかない岩瀬氏の愚鈍さあるいは娘へのうわべだけの愛情を示すように変わったのではないか。
元の戯曲の「本物の宝石=黒蜥蜴」も含めて、2つの意味を持たせたのではないかと思います。


コメント
どうしても峰里さんが、でてるのは嫌だな
そういう方もいらっしゃいますよねー
仕方ないです