配信で宙組博多座版の『黒い瞳』を見ました。まかまどが主演をしているものです。
上演は2019年2月なので、ちょうど2年くらい前ですね。
・真風のニコライが、白くて若くて、まぶしいほどでした。
最近の真風って、詐欺師とか(ダニー・オーシャン)詐欺師とか(ディミトリ)記憶をなくした男とか(フランシスコ、オバク)をよくやってたからさ、
こういうぺっかぺかに白くて真っすぐな青年っていうのが久しぶりすぎて。
あまりの清さと爽やかさに「そうだった、この人超路線育ちの王子様だった……」というのに呆然としてしまいました。
ともすればニコライの正義感が青臭くイヤな感じになりそうなのに、ひたすらにいい男でしたね。
真っすぐさが青臭いようでいて、プガチョフの最期を見届けようとするあたりは「男」なんだなと思います。
好きなんですよ、「大きな賭けに負けたな」って言うところ。
プガチョフのことは好きだけど、彼との思想や立場の違いを理解していて、プガチョフの道も尊重している。
プガチョフの敗北を見通しているけれど、やみくもには助けたり、自分の側に引き込もうとはしない。
ニコライの、この突き放し方が独善的じゃなくてとても良いと思うんです。
・対するプガチョフは愛ちゃん。
これが宙組時代最後の作品だったんですね。(このあと専科に組替え、そして星組へ)
『神々の土地』のラスプーチンや『異人たちのルネサンス』のグイド司教を経てのプガチョフです。
濃ゆい役をやらせたら愛ちゃん!な愛ちゃんの経験と実力がいかんなく発揮されてました。
ニコライとプガチョフが、ともに大きな力で物語を引っ張ってくからこの話は面白いのよね。
トップと2番手の力が拮抗してるから、物語の大きさを感じるし、ロシアの雄大さすらも息づく。
ニコライと出会って宿屋でコートを貰う場面の目がすごく好き。
あのときの表情があるから、その後の立場を違えた2人に友情があるのが納得できるんだ。
女たちを侍らせ踊らせているところで回りに陰口で「なにしてるんだ」って言われてたけど、
ほんと私も「愛ちゃんなにしてんの」って言いたくなったよね。
あの独特ないやらしさはいいわ~~~~~。
さすがやわ~~~~。
そのあと、マーシャを助けに行く馬車のシーンね。
ニコライとプガチョフのやりとりが最高。
男2人の人間的な大きさを感じます。
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