『川霧の橋』を見たんだ・1

月組公演感想,月組

月組博多座公演『川霧の橋』『Dream Chaser -新たな夢へ-』をライブ配信で見ました。

れこ海のプレお披露目公演です!おめでたい!
博多の地はなかなかに遠く、ライブ配信のありがたみを感じます。

れいこちゃん、海ちゃんのトップコンビ就任に加え、2番手ちなつのめでたさや、黒いありちゃん、老け芝居が上手すぎてどうなってるのかと驚愕する光月組長をはじめとした月組芝居など見どころの多い作品でした。
いやもうマジですごかったわるうちゃん……。

江戸時代のお話で、現代視点からみるとどうしてもツッコミを入れたくなってしまうところはあるのですが、そこは月組生と専科さんの演技力でもってきますね。
あと、「歴史ものや時代物ってこんなんだよなぁ……」と。
あの独特の湿っぽさを知らないわけではないので。

理不尽で、艱難辛苦の人生で、災害のために身の浮沈があり、義理人情がなによりも大事で……。

幸次郎とお光の最初の縁談のとき、お光の祖父・源六が断ってしまうのも「そういうもん」なんだよね。
およしと結婚した幸次郎が、苦しい身の上のお光を陰から援助しているのも「そういうもん」だ。

源六はお光の亡き母の想いを無下にできないし、幸次郎はお光を見捨てることはできない。

「亡くなったお光の母より、これからのお光の幸せががなによりも大切だろう」
「妻がいるのに、想い続けている女を援助するとかいろいろあり得ない」

という感情ももちろんある。
でも、そうしなければ源六も幸次郎も不義理で不人情な男になってしまうんだ。たぶん、あのころの感覚では。

登場人物が情や義理に縛られまくって、ウェットなうえにもウェットな感じがいかにも山本周五郎ーーーーー!!って感じで正直苦手ではあるのだが、主人公たちの辛い身の上に心を寄せて涙を流すのもカタルシス、心理的デトックスとしては有効なのであろう。たぶん。

おみっちゃんは不幸のオンパレードだし、幸次郎にはさっさと想いを伝えとけと言いたくなるし、ありちゃん清吉はクズだしで重い話ではあります。
しかし役が多いのは嬉しいし、男役さんたちは青天似合うし、祭り太鼓の勇壮さは素敵だったし、娘役さんたちも色っぽく、主演のれいこちゃんは麗しかった。

最後のあたりで、れいこ幸次郎が、腕をつかんでゆっくりとお光の袖をまくるのがエロかったです。
『ダル・レークの恋』のゆっくりターバンほどきに匹敵するエロさですよ。あれは。

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