『Jubilee』感想・3

【Party is over(終わらないパーティー)】

シューマン「楽しき農夫」

稲葉先生名物の若手ダンスシーンです。
センターはれいん。
みんなバッチバチに踊る。

若手はなかなか前列に出れないし、見せ場ももらえないから、こういう若手メイン場面の定番化はいいなぁ。
ラストはアチアチ……みたいに手で扇ぐのも定番。

みそまるはコミカルな雰囲気も出せる。
豊かすぎる表情が路線としてはややズレてる感じもあるけど、それも表現力ゆえなのよな。

【Liberation(花は枯れた)】

ベートーヴェン「交響曲第7番」ゴスペル風

振付は平澤智先生。

カチャメインのダンスシーンで、今回卒業するカチャの餞別シーン・その2。

ダンサーが多く選抜された場面で烈しく踊る。
全体に明るいショーの中で異質な場面。

下手側でリフトの見せ場をもらってたのはまのっちかな?

【Glory Day(戴冠式)】

ショパン「英雄ポロネーズ」

王がひとこ、王妃が美咲、司祭びっく。
参列者の歌手はあおいちゃん・ゆりちゃんの管理職コンビ。
あえて組長・副組長にこの役を宛てるというのもうまい。

この「戴冠式」はもちろんひとこの新トップ就任に宛てられたものでしょう。ついに王になった、と。
いつ見ても素敵な場面だろうけど、大劇場お披露目初日はことさらに感無量になった。
私でさえそうなのだから、ひとこちゃんをご贔屓にしておられるファンならばどれほどのことか。

ただ、ちょっとだけどきっとした箇所がありました。
プログラムには「それは彼が王になるまで自分の前を通り過ぎ、戦い続けた人々。…王の冠は彼一人のものではなく、脈々と繋がれた人々…」と書かれているところ、舞台ではどうも死屍累々に見えてね。ヒヤッとしたわ。

それはそうと、高峰くんがどういうことかと思うくらい淡い紫の軍服が似合ってる。
なんなんですか、これ着て生まれてきたんですか。

そしてみそまるの一瞬の死に芸が凄すぎる。
あなた、こんなところでまたヤバい演技力発揮して…。
みそまるはプロローグの歌声は甘く柔らかいし、若手選抜のダンスでは半端ないリズム感とキレのよさを見せる。実力派よねぇ。

【Glory Day rep.】

主題歌アレンジのあかさん銀橋ソロ。

プログラムには「新たな王の誕生を祝い、一人の紳士が歌う」……新しい王=ひとこなわけで、同期のひとこなわけで。
「素敵な景色」「ここが故郷」みたいな歌詞でしたね。
設定も歌詞もすべて泣くための要素。

最後はロケットへのエール。

【Glory Rockets(輝き)】

あかさんに紹介されてのラインダンス。

110期首席のたらゆめちゃんは顔が華ちゃんに似ているなぁ、と思ってたら、たらゆめちゃんのウィンクを捕獲しました。(私に撃ってくれたわけではない)

ロケットは下手から10人目の男役さんが気になりました。

【Finale A(熱情)】

ベートーヴェン「熱情」スパニッシュアレンジ

カチャの餞別シーン・その3。

フィナーレのとっぱしは赤い衣装のカチャと娘役によるダンスです。
そういやカチャはスペイン系の役多かったなぁ、スパニッシュの印象強いよねぇ。
カチャは大階段から登場し、娘役と踊る。

カチャとあおいさんが組んで踊るのも泣ける演出。宙組にいたんだもの。

最後は89期初舞台ロケットを思わせる下手花道で矢を放つ振り。
ご丁寧に虹の光まで飛んでいた。

そしてひとこメインの黒燕尾へと続く。

【Finale B(威風堂々)】

エルガー「威風堂々」

ひとこメインの黒燕尾にして、カチャの餞別シーン・その4でもある。

振付はももさりです。

ひとこの黒燕尾はいい。
とにかく端正で研ぎ澄まされている。
息を詰めて見たいような凝縮された空気があって、それがクラシックと響きあう。

だいやの手や指の動きが綺麗だなぁと見惚れました。

途中からカチャも黒燕尾にも合流。ひとこと2人で踊り、抱き合うところも。

そのあと、退団者3名と縁のある人の3組のリフトあり。
カチャとゆりちゃん、あかさんとひとこ、まいらとほのか。
元月組、同期、同期の組み合わせ。泣けた。

ひとこのすぐ後ろに退団者のまいらがいて、愛を感じた。
ライブ中継とかBlu-rayとかで映るじゃないですか。

私は、ジェンヌさんとジェンヌさんの出身地、そしてその人のファンが脳内でつながっている。
地震などがあると「○○さんの出身地だ、大丈夫かしら」と思うし、ジェンヌさんの役付きなどを見ては「あの人のファンはどういう気持ちだろう」と思う。
なので、「昔、まいらファンの人にチケット譲ってもらったなぁ……」と昔会った人をぼんやりと思い出していた。退団はさびしいだろうけど、この扱いは嬉しいんじゃないかな。

なお、この連想の欠点は「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」になりがちなところです。
失礼なことを言われたりされたりしたことを忘れられないタチなので。ジェンヌさんのせいではないのに。

【Finale C(愛)】

リスト「ため息」

トップコンビのデュエットダンスです。
美咲ちゃんの衣装の初見の印象は「牛っぽい」――B席で観たからかしら。ホルスタイン系の白黒に見えたんだけど、2日目はそう感じなくなってました。

物語の始まりを感じさせる、優美なダンスです。

【Grand Parade】

明るいグランフィナーレ。

最後までひとこの歌声は朗々と響く。
そして雉付きの白の大羽根、ナイアガラもついたトップ羽根。

ひとこちゃんは技術的には安定しているもののまだ若い王の印象で、それだけの清新さがありました。
これからの変化のさまも楽しみです。

12

コメント

タイトルとURLをコピーしました