
東京宝塚劇場公演『GUYS AND DOLLS』の新人公演をライブ配信で見ました。
10月16日(木)18:30開演。
新公演出は雑賀ヒカル氏。
星組『記憶にございません!』、雪組『ROBIN THE HERO』の新公もこの方でした。
雑感
今回の新公配役、和真くんとしゅりんぷに作品を引っ張らせたかったんだろうなぁ。
芝居冒頭や中盤の街路はナイスリー(和真くん)とベニー(しゅりんぷ)がメインで務める。
ふたりはこの芝居の額縁のような印象で、芝居も歌もうまい和真くんとしゅりんぷに任せることでこの物語世界が確固たるものになる。
仮にほかの人たちがやらかしても、額縁がしっかりしてるから物語世界は揺らがない。
歌がとても上手いから、この2人ならミュージカルとして形になる。
しょっぱなからズコることはないもんねという演出家の計算を感じる。
歌が弱点のオディセ(主演)、乃々さん(娘2)、実力はあるけど経験値の低い帆華さん(ヒロイン)、りひと(男2)がメインキャストでもあるから、この配役は安全弁でもある。
というわけで、新公ながらじゅうぶんに楽しめる作品に仕上がっていました。
3番手/ナイスリー・ナイスリー・ジョンソン/和真くん
和真くんはきれいで上手いなぁ。髪型のせいか役の表情のせいかOSKの翼くんに似てる。
歌も芝居もお手の物で、「任せたよ」という演出家の声が聞こえるようでした。
アデレイドのモノマネが可愛い。たぶん実物(乃々さん)より可愛い作り。
歌も芝居も安定感がある。
あと意外と背が高いな。(隣がしゅりんぷさんだったのもあるでしょうが)
あ、でも公称168センチか。
本役が長身のぱるなので頑張って背を伸ばしたのかもしれない。
本役のぱるより「ナイスナイスナイッスリー!」の上滑り感がない。
あれは滑り芸の域だと思ってるので本役は本役で面白いけど、和真くんの滑らないちゃんとしたコメディもよかった。
ベニー・サウスストリート/しゅりんぷ
こちらも実力派の若手。
芝居は細かくつけてきて目を惹く。
プロローグ、競馬の馬モノマネのしゅりんぷさん(ベニー・サウスストリート)はさすがの上手さです。
サラを可愛こちゃん呼びするわりにすぐに新聞に目を戻すし、馬より興味ないのもわかる。
ネイサンに殴られそうになる場面は靴紐を結んでタイミングよくかわしてたの、笑った。
中盤の街路での元の主題歌のところも体の使い方やダンスが上手すぎる。
ダンスがなんかおしゃれなんだよね。小柄なりの見せ方を研究してるのかな。
月組の若手は全体に上手いけど、さらに実力的に頭ひとつ抜けてる感じ。
まっぴーとしゅりんぷの歌は安定してて聞きやすいなぁ。
主演/スカイ・マスターソン/オディセ
美貌でチャラいスカイ。
そりゃ女なんて即時調達できますわ。
伝道所でサラを口説くところはうさんくささとチャラさをいい塩梅で出してて、本役のちなつスカイとはまた違った良さ。
「ナンパですよ」というのは新人公演のオディセのほうが雰囲気が出てる。
オディセのいいところは娘役に向ける視線。
ちゃんとまっすぐ見てる感じがする。
今回のヒロインの「私がベルなら」のくだりで惚れるの難しくない……?と思ったけど、ちゃんと演技でそう感じさせてくれた。
時間が押してたからかは不明ですが、セリフが走ってるところが多々。
歌は、現実に還りますね……顔と歌のギャップがすごい。
今後に期待。
2番手/ネイサン・デトロイト/りひと
こういっちゃなんですが、意外と実力があった。
抜擢に応えてましたね。
エクボの可愛い顔にひげをつけて、それが渋さにも、ネイサンの中身の愛らしさにも映る。
演技もよかったけど、たまに素の(かどうか知らんけど)可愛らしさが出てしまってるように感じたところも。
月組107期男役は、入団時からイチオシだった若様(全ツ業平で退団しちゃったけど)、小柄な実力派しゅりんぷが目立ってましたが、ここにきてりひとが来たか!!
知る人ぞ知るかっこかわいい系男役ポジションだったのが、新公2番手で路線に乗りそうな勢い。


コメント