『ゴールデン・リバティ』感想・2

月組大劇場公演『ゴールデン・リバティ』を4回観ての感想です。

・パール役のみちるは久しぶりに娘役らしい娘役を演じる。
最近はゴッドファーザーの娘で恐妻とか(BLUFF)、霊媒師(Eternal Voice)とか演じて評判をとってたのに、振り幅が凄い。

パールはお騒がせ役なんだけどとにかく可愛い。
嫉妬から「なによあれ!」といってアナレアの荷物を奪って去ってく困った子なんだけど、愛嬌と可愛さで許されるのはすごい。
観客も許さざるを得ない可愛さって宝塚娘役の武器だ。
返す際も「ん」だけで済ませられるのすごい。羨ましい。
でもこういうのも娘役芸であり持ち味なんだろうな。

・サーカス団長が5人ってどういうこと?と配役が出たときに思ったら、実際にあった家族経営のサーカス団をモデルにしてるんですね。
わいわいがやがやしていて楽しそう。
束ねるのがみとさん演じるお母さん……月組のお母さんでもあるからぴったりな配役。
列車での寝間着姿や、記念撮影のときにでてくるのも可愛い。

・「あたしなら事故に見せかけて銃で撃っちゃうのに」と、不穏なことをパペットに言わせるまのんちゃんも笑った。
サーカス団団長たちの妹で、人形遣いのアイダ=まのん。
繰り広げるのは「チャッキーとミーガンの殺戮ショー」どんなんだ(笑)。

「僕を巻き込むな、ファイッ」と人形たちの声音と自分の声の使い分けが上手い。
ほんと演技力あるんだな。

アナレアが去る場面での「私なら巻き込んでほしいと思うけどな」は泣かせる。
ていうかここが一番泣ける。
まのんの演技力よ……!

・軽業師たちの娘役ナンバーは次景への時間稼ぎもあると思うけど嬉しい。
可愛い娘役をじっくり見られる。
歌もダンスもいいし、衣装も可愛い。

・サーカス団の猛獣使いのバトンズのしゅりんぷは出番は多くないけど美味しいな。
赤髪(紫?)がまず目立つ。

アナレアを男だと思ってるときは「ふーん」って感じなのに、帽子を取って美貌があらわになると「ハッッ」といきなり恋に落ちた風情。
胸に手を当てて「え、美人……どうしよう」みたいになってる。表情がうるさくて可愛い。
そんなにハクハクしてたのに銃を渡すときは「どうぞ、お嬢さん」とイケメン感を出してるのも笑える。

バトンズ(公称169センチ)が、象使いの遥稀くん(公称177センチ)に銃の的の空き缶を高い位置に掲げられて「届かない―」とやってるのもあざと可愛い。

でもプロローグで無法者として銀橋に出がてら、銃を回してるのがかっこいい。視線のやり方もかっこいいのである。
アナレアをとらえる際にてら=ソーマ(公称181センチ……入団時より伸びたわね)に銃をつきつけるのもしゅりんぷですね。
体格差すごいわ。

しゅりんぷは、ラストの南の島でも歌ったり踊ったり、そして隣の男役との身長差を生かして仔犬間のある可愛さ(?)を演出してるのがあざとい。
ちょいちょい美味しいところをもらってるだけでなく、ガツガツと見せ場を作ってるのがいいですね。

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