『あの夏至の晩 生き残りのホモサピエンスは終わらない夢を見た』感想

新宿村LIVEで上演中の『あの夏至の晩 生き残りのホモサピエンスは終わらない夢を見た』を観てきました。
6月8日(土)13時公演。
お目当てはもちろんゆうひさんです。久しぶりの生ゆうひさんだわ!

この観劇は普段とは違うものを見たくて急遽つっこみました。
ザ・小劇場系という感じでした。
もっとも「小劇場系」の定義はよくわかってないけど。

妖精のいたずらが巻き起こす恋の騒動を描いた
滑稽な幻想劇「夏の夜の夢」。
世界各国で様々な形で上演され、映画や絵本、ダンスやオペラ、音楽にもなった人気作だ。
串田和美はこれまで同作の演出を三度手がけてきたが、
今回は元宝塚トップスターやコンテンポラリーダンサー、劇団はえぎわや花組など
出自の全く異なる8人の俳優とともに、
独特の発想で偉大なる原作の中に入り込み、解体し、
見知らぬ、或いは極く身近な人類が共有する夢と捉え、21世紀の我々の世界を見据える。
そしてその夢を舞台の上に創り出そうとする。
それこそが彼にとって最も演劇的行為だと思えるからだ。
至高の宴が今、夏至の晩に開かれる。

上記は公式HPより。作品の概要になるでしょうか。

作品の感想はぶっちゃけ「なるほどわからん!」なんですが、いつもわかりやすいものを見てるのでたまにこういうのもいいなぁと。

宝塚歌劇も歌舞伎も、基本は大衆向け。
宝塚は未就学児から観劇できる。
作品により多少の差はあるがある程度は誰が見ても楽しめるようにできている。

それに比べて今回は――なんですが、わからんものはわからんなりに、脳内で置いとくと熟成するかもしれません。

白昼夢を見ているような感じでした。
そして、ああ、「演劇」だなぁ。と。宝塚などとは違うベクトルの祝祭空間。

いつも見ないタイプの演劇だったので、自分の中にうまく落とし込めない。そもそも落とし込む必要があるかどうか疑問ですが。

シェイクスピアの『真夏の夜の夢』をベースにしています。
(私は『ガラスの仮面』で覚えて月組の『PUCK』で再履修した)
それを解体して再構築した、のかな。

基本的には真っ白な舞台で、セットも衣装も白、そして簡素。
途中、原色の鮮やかなシーンが差し込まれる。

ふだん見ている宝塚や、たまに見るOSKや歌舞伎などに比べると出演者たちがとてもナマっぽい。その、なんだ、ビジュアル的に。
そしてかれらが演じる役自体もやたら現実味があったりなかったりするのに、どこか非現実的な、ちょっと気持ちの悪い夢を見るようなところもあって。

ゆうひさんたち各役者が『真夏の夜の夢』の役(パックとかオーベロン王とか)と、演じている人間と、演じてもいない素の人間とを行き来する。
現実と、時空の違う世界がレイヤー的に重なっているようで。
平衡感覚を狂わされるような感じです。

「なるほどわからん!」が最大の感想ではあるんですが、ゆうひさんの一人語りの長セリフはとても好きでした。やっぱりいい役者さんだわ。

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