『たけふレビュー Diamond Quality』感想・1
OSK日本歌劇団のたけふ菊人形公演、第42回『たけふレビュー Diamond Quality』を観てきました。
まずは10月10日（月・祝）10時、12時、14時の3回を連続で観劇。
場所は越前市文化センター大ホール、立派な会場です。
タイトルの「ザ ダイヤモンド クオリティ」の名に恥じぬ舞台でした。
作・演出・振付は三井聡先生。
三井先生の作・演出はわかるけど、さらに振付までやるからわけがわからない。当然歌詞も書くし。三井先生、天才か。
（プログラムに歌詞が載ってるけど、いい歌詞書きますよね）
さすがに三井先生が全場振り付けてるわけではないけど。
ほんとかっこよくていいショーです。
今回のたけふ公演は主演が翼くんで、舞美さん・千咲さんというトップ娘役がダブル出演という豪華さ。
トップさん降臨ではないのでトップ娘役さんを2人つけた形でしょうか。
しかもある意味たけふのトップスター的存在の穂香さんがバリバリにヒロインポジやっててすごかったなぁ。
退団もったいない。
翼くんと千咲さんは穂香さんの同期で、同期3人で一緒の舞台で思い出を作るというのもテーマだったりするのかしら。
私的にお久しぶりな朔矢くんが2番手で出てくれて嬉しかった。ダンサーよねぇぇぇ。
キレのある動きも、柔らかくて（関節どうなってんの？）優美だったり妖しかったりする動きも素晴らしい。
色気あるから目が離せなくなる。
朔矢くんが細すぎて心配になるけど、気迫を感じるのもいい。身体軽くて踊りやすいだろうなぁ。
中でも金白の衣装で娘役の中から飛び出るように前に出てくるところが好き。
毎年やってるたけふ公演なのに、初舞台生ぶりってびっくりだわ。もっと来てくれていいのよ……？
主演の翼くんはほんとさすがとしか言いようがないよね。
とにかく声がいい。声がいいのは舞台人としてかけがえのない強みです。
歌にドラマを持たせられる人だなぁ。
歌うまいし踊れるしコメディーの間がいいのは大阪人の血か？
歌の滑舌はほんと凄い。早口言葉みたいな歌詞もなんなく聴かせる。
語彙力なくて「すごい」しか言えなくてすまん。
翼くんは男役としてはやや小柄だけど、それを感じさせないほどのスケール感もある。
なんだかんだ、舞台人はスキルに裏打ちされた自信が大事なんだろう。
私はそれほどOSKに詳しくないけど、翼くんはこういう大きさのハコで主演を務めるのは初めてだそうですね。
とてもそうとは思えないほどの舞台でした。
もちろんご本人には緊張や不安もあるんでしょうが、そういうのを感じさせないのがプロというもので、翼くんは立派に「プロ」でございました。
ライブ配信もやっていた10時公演にて。
プロムの場面、翼くんとほのかちゃんが見つめあっていざ告白…！というときに客席の赤ちゃんが泣き出しちゃったんですよね。
赤ちゃんのときから英才教育を受けられるのがたけふクォリティ。
中学生以下観劇無料なのがすごすぎる。中学時代に戻りたくはないが、たけふの中学生になりたくなる。
とはいえ劇団員さんたちはプロなわけで、こういう突発的な事態にもほかのお客さんを楽しませつつ舞台進行に余念がない。
雪妃さんだったか、娘役さんが赤ちゃんにニコニコしながら「そうよねー」みたいな感じで舞台上からなだめるように対応してたのは覚えてる。
でもますますギャン泣きに磨きがかかる赤さま（笑）。
泣き止むのを待って芝居を進行したいところですが、赤さまはなかなか泣き止まず、でも出演者たちはうまく間を持たせてました。
憧れの女の子＝穂香さんに告白しようとしている翼くんは「僕だって（緊張で）泣きたい…！」とアドリブ入れてくるし。
赤ちゃんの泣き声を役の心情とリンクさせて笑いに持っていける翼くん、ほんと強かった。
翌日になっても、この場面の「足はガクガク 心ドキドキ 歩いたらナンバ」が耳から離れなくて困りました（笑）。
ところで「ナンバ（歩き）」ってメジャーな言葉なんでしょうか。
私の地元では聞かない言葉である。（知ってはいる）
プロムの場面は後ろの方でも小芝居してて、上手奥と下手奥の男役さんが離れたところから謎のものを投げ合ったりしていました。
気絶した穂香ちゃんを「励ますのよ！」と拍手で起こそうとする羽那さん（タップのほうが起きそう）、それにつきあうほかの人たち、さらに「私たちの力だけじゃダメ！」と客席を巻き込む雪妃さんという流れがバカバカしくて楽しい。
14時公演だったと思うんですが、最前列に小さな子たちが並んでいたらしく「拍手してくれるかな？」と小さな子を誘い、さらに雪妃さんは「大きなお友だちもよろしくね」みたいなことを言ってました。
大きなお友だちwwww
用語がそこはかとなくオタクだ。
プロムの場面は日替わりのアドリブとかやり放題な感じですね。
何度通っても楽しめそう。
