『シラノ・ド・ベルジュラック』を見たんだ・2

配信で見た星組DC公演『シラノ・ド・ベルジュラック』の感想の続き。

・開演前に音楽流れるのいいよね。
始まる前から物語にいざなわれて、劇場でゆっくりと世界に浸りたい。

・鼻にコンプレックスのある轟さんのシラノ。
舞台として美しかったこともあり、鼻それ自体に問題があるというよりも、詩人としての繊細さや感覚の鋭敏さがかれの性格を荒ぶるものにし、コンプレックスの強さにつながったのかなという気がしました。
感情の激しくない詩人なんていないだろうしね。

夜の帳のなか、クリスチャンに言葉を伝えるのも、クリスチャンの代わりにロクサアヌに手紙を書くのも、陶酔がみえた。
かれは言葉に生きている。
「私とクリスチャンは2人で一つだ」というが、クリスチャンの外見を得て、言葉だけで生きられることに幸せがあったのではないか。
はじめはシラノも自分がロクサアヌに愛されたいという気持ちはあったけれど、徐々に自分の言葉だけを純粋に愛されることに喜びを感じるようになったのではないか。

「見た目つくろって人付き合いするのめんどくさいから、脳みそだけで生きられないかな」とか思ってたポエマーだった学生時代の自分を思い出しました。

・ヒロイン・ロクサアヌのほのかはお見事としか言いようがない。

ロクサアヌはシラノの心もしらず見た目だけのクリスチャンに惹かれるふわふわした女の子。
ド・ギッシュ伯爵を手玉に取る性格の裏表もあり、ややもすると嫌われかねない役どころ。
それを若い少女の可愛げとして表現されていた。

ほのかのロクサアヌは声や表情がヒロインしててとにかく可愛いんだよね。
ピンクのドレスも似合う。
所作もきれいだし。

戦場に食べ物を持ってくるところも強い。
生き生きしてる。

ほのかの武器はなんといっても声でしょう。
セリフ声も美しいけれど、歌声は圧巻。
『ロックオペラ モーツァルト』のアロイジア(ヒロイン・コンスタンツェの姉)でもそうだったけれど、舞台の真ん中で一人だけスポットライトを浴びて歌うのが似合うし、魅入られる。
あの演出に負けないのってすごいと思うのよ。

透明感のある伸びる歌声はヒロインとしての存在感や説得力を増す。
あの歌声には、ロクサアヌを魅力あるヒロインとして立たせる力があるんだよね。

クリスチャンを失った戦争から14年経った修道院の場面での、年齢の重ね方もよかった。
あの可愛かった恋する少女がしっとりとした大人になって、重ねた年月とともに精神的な深みも得た。

現在研8という学年を考えるとトップ娘役に……というのは難しいのだろうけれど、長く宝塚で貢献してほしい娘役さんです。

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