『エンジェリックライ』退団者発表

昨日、花組大劇場公演『エンジェリックライ』『Jubilee(ジュビリー)』の退団者が発表されました。
専科のカチャと、花組のあかさん、まいらの3人です。

カチャの話

専科のカチャは89期生、現役生では最後になります。
専科時代の花組出演作としては2018年のDC/KAAT『蘭陵王(らんりょうおう)-美しすぎる武将-』、2021年の大劇場公演『アウグストゥス-尊厳ある者-』『Cool Beast!!』、2023年の全国ツアー『激情』『GRAND MIRAGE!』があります。
『激情』で主演を務めたひとこちゃんのもとで、2番手格での卒業です。

公演日程ページにしれっと「※2 11月10日(日)13:00公演終了後、引き続き、凪七瑠海サヨナラショーを行います。」「※2 1月19日(日)13:30公演終了後、引き続き、凪七瑠海サヨナラショーを行います。」が追加されました。

カチャは入団時から首席で扱いの良かった生徒。
初舞台ロケットでもラストに一人出てきてハートに矢を放つエンジェルで、「ああ、これは……」と劇団のプッシュを感じる演出でした。
阪急阪神初詣ポスターモデルにもなりましたしね。

ただ、研7のときの2009年月組大劇場公演『エリザベート』でのヒロインにしてタイトルロールのシシィに配役されたのは、本人にとってかなりの逆風だったと思います。
トップ娘役のかなみちゃんが卒業して、トップスターあさこは「やもめ」の状態。
とはいえ、月組娘役がいないわけではない。(帯に短し襷に長しだったとしても)
私はいまだにあさこ主演の『エリザベート』を観てないので、この作品のカチャの演技や歌唱についてはどうこう言える立場にないのですが、風当たりはきつかったはずです。私も配役にいい感情を持っていません。
本来劇団に文句をいう筋の話とはいえ、どうしたって演じてる人にも悪い感情は向かいがちですから。
つい「断ってくれれば……」とかね。できない相談でしょうけれど。
(断る=退団につながる)

でもその後のカチャへの印象がかなり変わった出来事があります。

翌年、5組から1人ずつ89期生が選ばれ(望海・明日海・蓮城・美弥・凪七)、メイク落としのPOND’Sとタイアップすることになりました。

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そのとき、インタビューなども行われたのですが、カチャの対応が素晴らしかったんですよね。
自分がなにを求められているか、どうふるまうべきかがわかっていて、すごくクレバー。
きちんと全体が見えている人なのでしょう。

その印象は舞台でももちろんあって、自分の色を強く出すべきところと、引くべきところをきちんとわきまえている。
品のある頭の良い舞台人です。

宙組から月組へ、そして専科へと激動の宝塚人生を歩みましたが、カチャの舞台への真摯な在り方と謙虚さは伝わってきました。
人柄もいいんでしょうね、出演先の組子が慕う様子も感じられました。

最後まで良い舞台を務められますように。

あかさんとまいらの話

花組生としては97期のあかさんと100期のまいらが卒業されます。

あかさんはトップのひとこと同期の97期生。
いったん星組へ異動したものの、花組に戻ってきました。
星組異動はひとこの同期だから「逃がされた」という、路線的な配慮かなという気がしました。

星組でもいい舞台を務め、組になじんでいる感じでしたが、花組にいわゆる「出戻り」。
これはあかさんの希望でもあったのではないかと。
ひとこと仲いいみたいですし。

だから、もう少しひとこ時代の花組でひとこの隣にいると思っていたので、今回の卒業は驚きました。

でも『ドン・ジュアン』の騎士団長の素晴らしさは、退団を決めた人の放つ輝きだったのかもしれません。

そして100期生のまいらもご卒業。
先日の『Liefie(リーフィー)-愛しい人-』のジェームスは素晴らしい演技と歌でした。
役も良くて、ええ、脚本がもっとよければ、2番手といってもおかしくない美味しい役でしたよ。

ヒゲの似合ういい中堅の卒業は寂しいですが、彼女らにも宝塚以外の人生がありますしね。
最後まで幸せに過ごしてくれますように。

発表のタイミングについて

今回の退団発表。
「ちょっと待て」な条件は2つあります。

一つは宝塚友の会の1次・2次の抽選が終わり、先着順も開始したあとだったこと。
ええええと、この退団する3人のファンはぜったいに先に知っておきたかったことじゃないですか。
通常の公演なら千秋楽でなくてもいいけど、卒業となると話は別。
もちろん、ジェンヌさん個人のファンクラブではお取次ぎがあるでしょうけど、あれは申し込んでもすぐに確定しないし。

集合日に退団者が発表されるのは恒例なので今さらな話ではあるのですが、特に今回はサヨナラショー付だしなぁ。

もう一つは、発表がトップスターの退団公演の千秋楽の最中だったこと。
ええ、雪組・咲ちゃんの大劇場千秋楽の最中でした。

宝塚って、特定の人のファンだけで構成されてるわけじゃなくて、私のような全組観るライトなファンも多いんですよ。
トップさんの退団は退団で感傷に浸り、次回作での退団者発表があればそれも惜しみたい。

これを同時にやったら感情が持ちませんわ……。

発表を1日2日ずらして、もうちょっとファンの気持ちに寄り添っていただけるとありがたいのですが。ねぇ、劇団。

花組 退団者のお知らせ
2024.08.11

下記の生徒の退団発表がありましたのでお知らせいたします。   

花組
綺城 ひか理
泉 まいら

2025年1月19日(花組 東京宝塚劇場公演千秋楽)付で退団 

宝塚歌劇公式サイト

専科 退団者のお知らせ
2024.08.11

下記の生徒の退団発表がありましたのでお知らせいたします。   

専科
凪七 瑠海

2025年1月19日(花組 東京宝塚劇場公演千秋楽)付で退団

宝塚歌劇公式サイト

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