『ALL BY MYSELF』感想・2

咲ちゃんのプレ退団公演『ALL BY MYSELF』は1回だけ観られました。
(と3ヶ月前の公演の感想を今ごろ書く)

『ALL BY MYSELF』はスター・咲ちゃん、いや「ブルーム」と記者・カイル(かせきょー)を中心としたバックステージ物。
咲ちゃんの懐かし演目を組子が演じて、当時の衣装がたくさん出てきて楽しい。
いちおう咲ちゃんの初舞台から観てるので、いろんな思い出がよみがえりました。

主題歌「YOU WILL BE SOMEONE’S DREAM」は演出家・のぐちん(野口センセイ)の咲ちゃんへの重い愛を感じる歌。
歌詞「あなたがだれかの夢になる」は、咲ちゃん一人写りの宝塚音楽学校のポスターのキャッチフレーズからきています。
それ以前の音校ポスターというものの記憶がないのですが、咲ちゃんの音校ポスターが出たときの衝撃は覚えていますよ。透明感があってきれいで、ファンの間でも評判になっていた記憶があります。
それを歌うのが咲ちゃんで、その前で「ブルームの影」として一人で踊るエンリコというのも強いものがあります。エンリコも役付きいいよねぇ。

「カリビアンフィッシュ」は初舞台公演『シークレット・ハンター』のロケット。
93期のお魚ロケットもインパクト強かったですね。蛍光塗料で、暗闇の中に衣装が浮かび上がる演出で、……初舞台生の顔が見えないのってどうなのって気もしたけど。
まさかあの衣装とふたたびまみえるとは。長生きはするもんだ(?)

「サーカス魂」……これまた懐かしい。
『君を愛してる-Je t’aime-』組配属第1作目にして役付きだったんですよね。そのとき「ピエロたん」と愛称がついた。

その後も役付きとしては順風満帆だった。とはいえ、いわゆる「御曹司」ゆえの苦労はつきもの。
どうしたって経験値不足と与えられる役の大きさにはギャップがあり、そこから生じる課題への泣き言なんて誰にも言えないでしょうしね――というのを、すわっち演じる「ビジット先生」のターンで感じたのでした。
スターを目指す生徒にとって路線に乗れないのも悔しいだろうけれど、最初から期待をかけられすぎるのも大変だ。宝塚って、雰囲気に反してほのぼのしてない。

――と、公演外のことに意識を取られつつも、ちゃんとコンサートは楽しいのでした。

ビジット先生のレッスンを受けるブルームは緑のジャージ。もちろん雪組カラーに合わせてのものでしょう。

「お祭りマンボ」の歌手は愛すみれちゃん。頼もしさが半端ない。
おじさんのつーちゃん、おばさんの美影さんに火消しの若手たちもキレよく踊る。

日本物の雪組らしく和物シリーズがしばらく続く。そういや、初舞台公演の『さくら』だって星組だけど和物だったな。

『灼熱の彼方』『パルムの僧院』『CAPTAIN NEMO』など主演を務めた小公演の衣装を下級生が着て居並ぶと、懐かしさになんともいえない気持ちになる。
若い子たちが咲ちゃんのスピリッツを継いでいくんだな。

『るろうに剣心』の斎藤一も懐かしい。相変わらず脚長い。
衣装も似合っててこれは特にいい咲ちゃん。

そして1幕ラストは「海の見える街」。だいもん時代の雪組公演『SUPER VOYAGER!』、咲ちゃんは2番手でした。
ショーの一場面だけど代表作といってもいいですよね。というか、ショーの場面がこんなに印象に残ることってあるんだ、
本公演時の場面の2・3番手格だったひとこちゃん、あがちんは出てなくて、すわっち、まのみーのダンサーがそのポジに入る。
相手役のひらめちゃんのポジションにはスタイルの良さとダンスの上手さを備えた娘役・はばまいちゃん。

相手役は違うものの、あのときの高揚感がよみがえりました。


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