
星組バウホール公演『アレクサンダー』を観てきました。
10月5日(日)15:00の回です。
バウホールは最後列でも17列で程よい広さ、そして7列目以降はきっちりと段差がついていて見やすい。ありがたいハコでございます。
『アレクサンダー』は赤石路代センセイ原作の少女漫画『アレクサンダー大王 -天上の王国-』が原作。30年近く昔のかな?
当日朝、ムラ遠征の電車の中とカフェで予習して臨みました。
ものすごく面白かった。
(コミック文庫で全2巻ですが、舞台は1巻の途中で終わります)
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作品概要(ネタバレ含む)
原作は、主人公・アレクサンダー大王(天飛)の版図拡大の歴史物語。
アレクサンダーの友、もう一人の自分であるヘファイスティオン(稀惺)の視点で語られます。
アレクサンダーはロードス島出身の女傭兵・サーヌ(瑠璃)と結ばれますが、サーヌは戦いで命を落とします。
自分の国に転生するサーヌを探すためにアレクサンダーは王国を築いていきます。
他人の心の声が聞こえるなど不思議な力を持つヘファイスティオンはその能力ゆえに親や周囲から疎まれていましたが、自分の力を受け入れて頼ってくれるアレクサンダーに想いを寄せ、陰で手を汚すこともいとわなくなります。
原作では亡きサーヌの生まれ変わりを探してアレクサンダーは進軍と王国の拡大を進めますが、星組の舞台版はサーヌが亡くなったところで終わりです。
サーヌの亡くなり方など、一部改変もあります。
ヘファイスティオン/つんつん
つんちゃんのヘファイスティオンは、女子がみんな好きなやつじゃないですか!こういうのみんな好きじゃん、ねぇ!?
静かで優しい声音に柔らかな雰囲気の美青年が、恋情からくる嫉妬心と闇を持ってて、主人公に執着してて……。
内心を隠したつんちゃんの目の芝居がまたいいんだ。
ビジュアルが少女漫画の美少年~美青年なのも強い。長髪も似合う。
あまりのアレクサンダーへの想いと陰からの支えっぷりに、君はアンドレか?とつっこみたくもなった。
(もっともベルばらのアンドレは少女漫画というより劇画だと思いますけども)
ちなみにアレクサンダーとヘファイスティオンの関係は実際に男色的だったようで……(ウィキ情報ですが)。
まぁあのへんのギリシャの戦士だしなぁ。
アレクサンダー/あまと
主人公のアレクサンダーにあまと。
ビジュアルは少年マンガ寄り。
あまともアレクサンダーも太陽属性の人である。もちろん実際のところは知らないが(だって他人だし)、少なくともそう映る。
雄々しく凛々しく明るいアレクサンダーで、仲間たちに慕われ、「我らの王」とみなされるのがしっくりくる。
ヘファイスティオンへの信頼感もさわやかである。
そしてヒロイン・サーヌへの不意打ちのような甘やかさも良い。
この作品はどう考えてもヘファイスティオンのほうが感情移入しやすい役だし、美味しい。
アレクサンダーだって闇の部分(サーヌへの執心とか)はあるけど、そこが大きく出る前に話は終わったしね。アレクサンダーの場合は父子の問題のほうが大きいのよね。
1幕ラスト近くの、周囲を飲み込むような怒りのさまはさすがでした。
なお、あんまり金髪の長髪は似合わない……。
もうこれは本人の属性だからなぁ。原作に寄せようとすれば、自分に似合うものを優先するというわけにもいかないだろうし。
あまとは短髪のほうが似合うなー。フィナーレも生き生きしてた。
歌も芝居もダンスも殺陣も、どれも素敵でした。
サーヌ/るりはな
るりはなちゃんのサーヌ。最高。
原作どおりの紅い唇の傭兵。
凛々しく清々しく、剣の腕は一流。
運動神経もいいから立ち回りもお見事です。
そして美しい。男装をしていてもヒロインの華がある。
小柄なので、特別長身でもないあまとと並んでも身長差があるのもすごい。
美人でスタイルよくて歌も芝居もダンスもできる人だから、今後トップ娘役になってくんないかなぁ。
ヘファイスティオンの能力によって死を予見されても「生きるも死ぬのも自分の人生だ」みたいに言いきり、傭兵としてアレクサンダーの隣で戦うことを選ぶ。
この凛々しさがとことんかっこいい。
いい役をもらえるのも実力のうちです。


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