月組版『Anna Karenina』感想・1

月組

月組バウホール公演『Anna Karenina(アンナ・カレーニナ)』を観てきました。
観たのは1月12日11時公演の1回のみ。
ちなみに、10年近く前に星組版(主演がしゅんきちだった)を観ているし、DVDではコム版も見ていますが、ろくに覚えちゃいないので、今作との違いはよくわからず……。

主演がみやちゃん、ヒロインくらげちゃん、2番手がれいこちゃんという恐ろしく美しい舞台でした。

宝塚歌劇における愛は、ある程度までは美しさによって説得力をもちます。
美しくないと「なにもあんな男(女)のために人生を棒に振らなくたってねぇ……」となってしまう。
実際の世の中、そんなに美男美女ばかりのせいで身を滅ぼしてるわけでもないでしょうが、舞台での説得力はまた別です。
今回で言えば「相手がみやちゃんならしゃーない」「くらげちゃん、きれいだもんなぁ」である程度納得できます。というか、そうでないと納得できません。

とはいえ、恋敵のカレーニンが劇団屈指の美貌を誇るれいこちゃんで、しかもヅカナイズされたかっこいい敵役といて描かれているために「なんでれいこじゃアカンかったし?アンナ」と言いたくなるのが困ったところではあります。
みやちゃんの美しさゆえに愛の説得力が出ますが、れいこちゃんの美しさゆえに疑問が起こってしまうのでした。
あとは演技力次第ですね。

月組って私の中で土色みたいな落ち着いたイメージです(そんな月組が好きです)。
くらげちゃんもれいこちゃんも、美しいけれど派手な雰囲気ではなく、知的で大人っぽい印象の人。
れいこちゃんなんて、ほっといたらどこまでも華美になりそうな顔なのに、なぜかくすんだ色味を纏っている。
なんというか、文学作品顔というか……。

そういう月組公演のセンターにみやちゃんがいると、きらびやかさがすごくて「めっちゃタカラヅカ観てる!!!」って気持ちになるのね。
月組版の『アンナカレーニナ』は、芝居の月組の実力と、絵面の美しさのバランスが絶妙でした。

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Posted by hanazononiyukigamau