『蘭陵王』感想・3

花組

・男らしいのに女の子なあきら高緯。
なんという飛び道具……!と思ってたけど、2幕はすごかった。
「女の子」な男を演じるのも芸なんだな。

寝言で「蘭陵王様~」って言い出したときは何事かと思ったけど、まさかそれがラストへの伏線だとは。
やるなキムシン。

高緯の浅はかさが悲しい。
愛人・逍遥君を殺されて蘭陵王に死を賜るのは愚かだけれど、彼(彼女?)の気魄に圧されて納得した。
蘭陵王に切々と恨みをぶつけるところには、共感はしないまでも涙を誘われた。

「助けてあげようか」も、高緯に悪意はない。
たださみしかっただけだ。
自分の権力を、そして傲慢さを自覚していなかっただけ。
性的な取引なしにただ助けることだって可能なのに、それをしないところがね……(思い浮かびもしなかっただろう)。

クセが強すぎて「代表作」と呼ぶにはちょっとアレな役かもしれないけれど、これも男役15年の成果でしょう。

フィナーレではまっとうな男役でセンターを張っていて、「あー、これよこれこれ!!」という気持ちになりました。

・ねちっとした毒のある美しさのあるほってぃ。
高緯の愛人・逍遥君は、最後に女言葉になるところだけよくわかんなかったけど、当たり役だな。
花をむしるのが似合う。
(女言葉になったとたん、「え、どっちが受けでどっちが攻めなの!?」という疑問に脳を支配されたぞ)

河の場面では、高緯に向けた愛おしげな視線と、蘭陵王への憎悪が素晴らしかったです。
上手くなったよねぇ。

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花組

Posted by hanazononiyukigamau