『蘭陵王』感想・1

花組,専科

花組シアタードラマシティ公演『蘭陵王(らんりょうおう)—美しすぎる武将—』を観てきました。11月21日(水)12時と16時の回です。

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水曜日だし雪組さんいるかな?と思ってたんですが、むしろ星組さんがたくさんでした。
かいちゃん、れんた、みっきー、ひーろー、星蘭さんはわかった。
しどりゅー、たくてぃーもいたような。

・『蘭陵王』は初見の1幕開演早々に「ちょ、私は何を見させられているのだ」と思い、瀬戸くんの役に「ちょっと待て」と思い(とってもオネエさんです)、数々の演出に吹きそうになったり。
それなのに2幕になったら瀬戸くんに泣かされそうになるし、ラストには胸がすく思いをしました。でもやっぱりところどころ吹くけど。

感動とトンチキの融合とでも言いましょうか。
さすがは『王家に捧ぐ歌』のキムシンです。

・脚本のレベルで素晴らしかったのは、ちゃんと現代で演じる意味のある作品になっていたこと。
「与えられていたのではなく、奪われていた」
搾取の構造、上位に立つ者からの無自覚で無邪気な勘違いを描いてみせたことに集約されるのではないでしょうか。

ただな、それをおいちさんに語らせて、「おおおおお」と感動が高まったところでの痛恨の一言。
「人の嫌がることはしない」
なんかチガウっ。
それ、まとめになってない!

ズッコケ具合がすごいので、KAATまでになんとかしたほうがいいと思う。

でも『蘭陵王』の持つ現代的なメッセージ性はまっとうに評価されるべきだと思うよ。
(これ、ダーイシが作ったらウザいことになってただろうなぁ)

・出演者も素晴らしかったです。
カチャと音くり、合うな!!
相手が音くりちゃんだとカチャの線の細さがまったく気にならない!
カチャはさすが研16(うわー、いつの間に!)だし、音くりちゃんは何させても巧い&メイクまで上手くなった!

瀬戸くんの皇太子→皇帝は、出てきたときのオネエさんぶりにびびったけど(これ2番手かい!みたいな)、随所に出てくるイケボな男役声には心を撃ち抜かれる。

専科さんはさすが専科さんやー!!
おいちさんもまりんさんもマジでいいしごとしてくれる。

下級生まできっちり役やらセリフやらあって、キムシンありがとう!!な作りでした。
蘭陵王に振られる娘役ちゃんのナンバー大好きだわ。
6人口下級生の船での密談は、『暁のローマ』の寝言ソング思い出した。

最後に。
カチャすげぇと思ったのは「美しかったが、悪いか」のセリフがギャグになってなかったこと。
客席はウケてたけど(ポスターのセリフ、マジで言った!みたいな感じで)、きちんとシリアスに成立させてた。
さすが学年を重ねての経験と実力がある。

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