雑誌「愛宝」

宝塚一般,雑誌・書籍

先日のムラ遠征ついでに池田文庫に行ってきました。
ひさびさの池田文庫。
時間がなかったので早々においとませねばなりませんでしたが、当初の目的は果たしてきました。

何を読みたかったって、雑誌「愛宝」。2014年12月発行の115号です。

出しているのはもちろん「愛宝会」。
ウエクミの文章が載っているとあっては無視できないではないか。
書庫にあるものを出してきてもらいました。

「愛宝」は全部で16ページの小冊子です。うち、3ページがウエクミのエッセイ的なもの。
5段組みなので文字数は多い。

「舞台、映画、小説についての徒然」と題されたそれは、ウエクミの好きな舞台や映画などを述べたもの。
舞台はもちろん文楽。インド映画の話も出てきた。
小説は泉鏡花と水村美苗。

帰国子女の水村さんは、父親がアメリカ駐在中の少女時代、海外生活の反動か、英語が嫌になって親の所蔵になる日本の古い小説ばかり読みふけっていたそうで、夏目漱石が大好きらしい。幼少期に触れた日本語が、ほぼそれら古典小説だったということで、現代のナマの口語に毒されずに言語世界を形成されたとおぼしく、なるぼど素晴らしい日本語の文章を書かれるわけである。

このセンテンスの長さがいかにもウエクミだなああああ。
それはそうと水村美苗を読んでみたくなったわ。

同じ号には田渕センセイの文章も。
彼は演出助手試験を4回受けた苦労人。毎年演出助手の募集があったわけじゃないから、劇団に入ったころにはけっこういい歳のはず。
初観劇は『雪之丞変化』、舞台美術を習っていた芸術系大学時代のころらしい。

ほかにも気になる演出家のものを出してもらいました。

大野センセイは学生時代に能楽を稽古していたそうな。
観てないけど、初期の作品『更に狂はじ』『睡れる月』あたりがいかにもな感じなのだろうな。

生田センセイは中学生のときの『エールの残照』が初観劇。「自分はダンサーになる!」と決意。
休みが多くて大学に行くのが楽で、日比谷に近い学校という理由で慶應義塾高校に入った、と。

なお、慶応義塾の高校は日比谷に近くないそうですが、生田センセイが通っていた当時は電車の乗り入れがあって云々書いてあったと思う。
(でも私はしょせん地方民なのでよくわかんない)

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道路ではなく中の通路を通って帰りました。
灯篭の写しがあるのね。
これも一三翁が趣味人だったからかしら。

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