『Senhor CRUZEIRO!』感想・3

花組

『Senhor CRUZEIRO!』にはヒロイン格の娘役が2人いる。

一人はしろきみちゃん演じるビアンカ。
クルゼイロが若かったころの恋人。
音楽でスター街道を歩むことにしたクルゼイロと故郷に残るビアンカは別れてしまうものの、今際の際までクルゼイロの心にいたのが彼女と思えば、こちらが正ヒロインになるだろうか。

しろきみちゃんのクセのない白いヒロインぶりには凄さを感じる。
過不足なく物語を見せ、主役を立たせる。
そういった「白さ」。

毎度のことながら、しろきみちゃんの芝居してるときのクセのなさというか、中の人の透けなさ具合というかはほんと凄いと思う。
スカステに加入してないのもあって、芝居観てるだけだといまだにしろきみちゃんの中の人の「キャラ」がわからない。
舞台に立っているのはその「役」なんだ。演者の色はほとんど作用していないように見える。

再演ものだとよく「○○ちゃんがこの役やったら××な感じになりそう~」とかいう予想がされるものだけど(たとえばちゃぴシシィなら綱渡りから落ちないし朝5時に起きるみたいな)、そういうのがしろきみちゃんってないんだよね。

しろきみちゃんの芝居をするときの「キャラ」(持ち味)は、あえて言えば「男役に対する娘役」なのかな。
男役を反射する、真っ白なカンバスであったり、レフ板であったり。

ただ白いだけじゃなく、歌って踊って芝居して、どれも上手いのがまた凄い。

もう一人のヒロインは、ひっとん演じるバルバラ。
タンゴの名手。
「セニョールクルゼイロ」を脱退したクルゼイロが、過去を隠して行きついたブエノスアイレスで出会う。

「タンゴの名手」という設定負けしない踊りっぷりだった。
足さばきからなにから……見惚れた。

バルバラが登場したときのムーディーな歌も聴かせた。
だてに102期首席じゃない。
まだ研3なのに大人っぽい。
送ってくれたクルゼイロに(部屋に)「泊まる?」というときの程よい蓮っ葉さ、けれど品はある感じもいい。

際立った小顔のスタイルの良さも素晴らしかった。

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花組

Posted by hanazononiyukigamau