『シトラスの風-Sunrise-』感想・4

宙組

・「ノスタルジア」――まかキキまどかの場面です。

しょっぱな、社交界の華マチルド役のまどかが歌う。
「私のお父さん」だったっけ、オペラっぽい歌。
ちゃんとうまいなぁ。
実力のある娘役っていいものです。

まどかは丸顔で幼く見えるけど、芸風はあまり幼くないので、こういう過去のある女をやらせてもしっくりくる。

そこにキキちゃん=セバスチャンがやってくる。
男女の関係がありますよ!感バリバリで、セバスチャンはマチルドにご執心ながら、マチルドはあまりセバスチャンに気がないご様子。
ぶっちゃけキキちゃんがきれいすぎて、終始眉間にしわを寄せてるまどかの気持ちがわからない。

全ツですっしーさんがやってたときは「路線男役の経験値上げに使えそうなポジションを組長が取らなくても……」と思ったんだけど、若くてきれいでかっこいい男役さんがやったらやったで「なんの不満があるのよ!?」となるからむつかしいもんだ。

・舞踏会はたくさんのドレス、たくさんの軍服できれいだなぁ。
ザ・宝塚だ。

一人の女をめぐっていい男2人が争うというのも定番のタカラヅカ。
ここで曲調が変わるのも好き。アレンジがかっこいい。

・軍服を脱いだらフリルな真風。
燕尾の優雅な衣装を脱いだらシンプルなキキちゃん。
外側のイメージからは真逆なのがちょっとウケた。
(番手で衣装の豪華さが変わるのがタカラヅカだからねぇ)

・手袋を投げて(=決闘)「青春でした」で幕。
こういう結末がわからない、ややもすれば消化不良にも思える終わり方、けっこう昔の作品にあるよね。

『あかねさす~』の「狂いましたあああ」とか、『霧のミラノ』(かしげにコムちゃんが撃たれて幕)とか、『アルジェの男』(主人公がやっぱり撃たれて幕)とか。
って、全部柴田作品だな。

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宙組

Posted by hanazononiyukigamau